たい肥、有機水肥(液肥)、寒肥のレシピと作り方

2010.11.21 修正

サボテン、アロエ、多肉植物用たい肥のレシピ

腐葉土  20Kg
米ぬか   2Kg
油かす   1Kg
草木灰   1Kg
魚粉   0.5Kg
砂糖   0.1〜0.05Kg

またあれば卵の殻、カキ殻、カニの甲羅等の粉末、コーヒーかす、骨粉、乾燥鶏糞なども適量(あまり多く加えると成分バランスが崩れるので、少量ですよ!)混合しています。残っているたい肥があれば、2〜3カップ程度加える場合もあります。
コーヒーかすの成分の多くは炭素ですがほぼ99%有機質です。またN:P:K=2:0.2:0.3程度の肥料成分を含んでいるといわれていますので葉肥として単独でも使うことが出来ます。(ただしコーヒーの入れ方や豆、焙煎の仕方で変わってくると思います)

たい肥を作る容器はプラスティック製のトロ舟120L(モルタルなどを混ぜる箱)2ヶを使っています。虫などがはいらないように完全密閉できるように木製の蓋を作っています。

均一に混合した資材をトロ舟にいれ1000倍の木酢液を少しずつ加え、材料を攪拌しながら、ぬか床よりも少し堅めな感じまで加えます。

そして発酵を待ちます。
特に初めて、たい肥を作る場合や冬場は発酵しにくい場合もあるので、ヨーグルトを水でとかし加えたり、発酵水肥や残っているたい肥を混ぜたりする場合もあります。またEMミラコンなどの発酵促進剤を使い、とにかく発酵させます。
我が家では2回目以降は特に何もしなくても簡単に発酵しています。トロ舟に発酵菌が住み着いてくれるようです。(もちろんトロ舟を洗ったりしてしてはいけませんよ!)

季節にも依りますが1〜3ヶ月発酵、熟成させます。
夏場は切り返しを早めに行わないと上部と下部で発酵度合いが大きく変わってしまうので注意が必要です。また春から夏にかけては虫がタマゴを生まないように厳重に管理します。
一度生み付けられると使い物にならなくなってしまうので、本当に注意してください。虫を殺すのに殺虫剤などを使うとたい肥が死んでしまいます。

完全に発酵すれば乾燥させ、2重にした黒のビニール袋に保存します。(遮光するためです)
私は春の植え替えに(2月中旬)に間に合うように、10月頃から作っています。
大抵は昨年作ったのが残っているので、大丈夫ですが!

腐葉土と油かすはホームセンターで購入しています。
私が購入している腐葉土は20L入り1袋で6.8〜7.2Kgほどなので3袋使用しています。乾燥させれば大体20Kgになります。

米ぬかは米屋で無農薬の米ぬかを貰っています。ぬか床用に貰っているのですが、最近は肥料に使う方が量が多くなって来ました。

草木灰は庭木の落ち葉で作ります。足りない場合は購入します。

魚粉は出汁をとった後の煮干しとカツオを乾燥させミルで挽いて完全に粉末にします。ミルは使わなくなったコーヒー用の大型のものを使用しています、少量ずつであれば小型の電動ミルでも可能です。
乾燥中は野良猫に注意が必要です!
我が家では2ヶ月で500g以上はできてしまいます。

卵の殻、カキ殻、カニの甲羅、骨粉なども家ででたものを十分に洗ってから乾燥させ、金槌などで荒く砕いてからミルで挽いて粉末にして加えます。完全に粉末にしないと微生物により分解され、植物が吸収できる形にならないので注意してください。これらは電動ミルでは難しいです。挽き加減が調整できる手動のコーヒーミルが使 いやすいです。

肥料成分のバランスはN:P:K=13:17:10ぐらいのはずです。資材を購入したものばかりであれば、袋にN:P:Kが書かれているのである程度は計算できますが、自作の資材も多いのであくまでも参考値です。
あえて含有量を計算すると、計算上ではN2.4% P3.2% K1.9%ぐらいのはずです(たぶん)。
培養土に10〜20%程度加えれば十分な元肥になるはずです。
以前母が腐葉土と間違って、庭土1:たい肥1でスイセンを育てたこともありますが、肥料焼けなどはしませんでした。

サボテン、キダチアロエ、アロエ不夜城、アロエチネンシスなどのアロエ、照波、巻絹、カゲツ、サンセベリアなどの多肉植物に使えます。


アロエ用の水肥(液肥)の作り方
最初表面が白くなり始め、甘い香りがします。発酵が進むと完熟したようなぬか床の様なやや酸っぱい臭いに変わり、さらに進むと無臭に近くなり完成です!

水肥(液肥)のレシピ 葉肥
油かす   500g
米のとぎ汁 5L

夏場なら2週間、秋から〜春で3〜4週間発酵させます。
上澄みを20倍に薄めて与えます。
水でも構いませんが米のとぎ汁の方が発酵しやすいので使っています。
この水肥(液肥)は窒素分が多めの葉肥です。

水肥(液肥)のレシピ 花肥
米ぬか  1kg
水    
 5L

夏場なら2週間、秋から〜春で3〜4週間発酵させます。
上澄みを20倍に薄めて与えます。
この水肥(液肥)は燐酸分が多めの花肥です。

注記
・水肥(液肥)の場合、バランスのよいものを作ろうと種々混ぜて作ると失敗しやすいので、単独の材料で作った方がいいと思います。
・発酵後は1ヶ月ぐらいで使い切るように。もし長期間必要なのであれば、小まめに資材を継ぎ足すかなどしないと、腐敗する場合があります。私は発酵が完了すると同時に新しく液肥を作り始めます。すると使い切った頃にちょうど新しく液肥が完成し、使い続けられます!

・油かすの水肥だけや米ぬかの水肥だけでは、肥料の3大成分はアンバランスです。
私がアロエに与えている例で言えば
2回油かす水肥を与えたら、次は米ぬか水肥を1回与えるようにし、また梅雨時や秋口には、薄い木酢液に草木灰を少量加えたカリ肥料を与えるなどして、バランス良い肥料の与え方を考えながら行っています。
また花を咲かせたいときなどは、油かす水肥をやや抑え気味にするなどしてます。


草花用たい肥のレシピ
実際にはサボテン、多肉用に1年で20kgも使わないので、サボテン、多肉用の半分の10kgに資材を追加して作っています。
ですから最初から作るのであれば以下のようなレシピでいいかと思います。
また草花用には米ぬかを多めに、観葉植物用には魚粉を多めに入れたりするなどアレンジしています。

腐葉土  10Kg
米ぬか   2Kg
油かす   1Kg
草木灰   1Kg
魚粉   0.5Kg
砂糖   0.1〜0.05Kg

作り方は上記のサボテン用と同じです


我が家の庭木と花壇の寒肥のレシピ
米ぬか:2kg
油かす:1kg(菜種)
 魚粉:1kg(カツオ節と煮干し混合自家製)
草木灰:1kg(庭木の落ち葉 自家製と足りない場合は購入)
 骨粉:300g(牛骨粉)
卵殻粉:500g (自家製粉末)

かなり大きなバケツでないと全量入れてかき混ぜるのは不可能ですので、私は10Lのバケツに半量ずついれてかき混ぜます。量の少ない資材から入れて、バケツをやや傾けながらよくかき混ぜていきます。均一に混ぜるのはけっこう経験が必要です。
下の樹木の数量から考えると上の寒肥の量が少ないと思われるかもしれませんが、けっこう隣接して植えられていることや、あまり多く施すと直ぐに大きくなってしまい剪定回数が増える、また特に松は葉っぱが太く堅くなり、緑摘みやもみあげが大変になるので、少なめに施しています。

我が家の樹木
ヒバ(4m)、イヌマキ(4m)、白椿(白鳳 3.5m)、馬酔木(2.5m)、松(5m)、山茶花(2m)、イヌツゲ(1.2m)、五月(1m)、珊瑚樹(2.5m)、百日紅(3m)、赤椿(紅嵐or源氏車 3.5m)、金木犀(3.5m)、プリペット(生け垣1.2*5が2ヶ)、柊(1m)、ヤツデ(1.5m)、山茶花(3.5m)、マサキ(斑なし2.7m)、マサキ(斑入り3.3m)、シキミ(3.5m)、西洋アジサイ(1.5m)、トクサ(1m)、ナンテン(2m)、マンリョウ(0.7m**)、沈丁花など

花壇
フユサンゴ、アマドコロ、日本スズラン、スイセン、シラン、口紅シラン、ギボウシ、キショウブ、モミジアオイなど

我が家の場合常緑樹がほとんどなので、有機質の肥料ばかりより、本来は発酵させた無機質の肥料(発酵油かすなど)との混合のほうがいいと思います。ただ宿根草の花壇は有機質肥料だけでもいいと思います?!
実際に寒肥を施す場合、たっぷりの自家製腐葉土(若干の肥料分も含む)と一緒に埋めたり、樹木に合わせて、葉肥を増やしたり、花肥を増やしたり調整しています。
寒肥施肥時に、開花中のサザンカは花後に与えます。また蕾を沢山着けているツバキには、薄めの速効性の発酵水肥を与えています。

自家製腐葉土は庭木の剪定時の枝や葉っぱで作っているのでけっこう太めの枝などが混じっているので鉢植えには使わず、もっぱら庭の土壌改良に使っています。

以前の日記でも書いていますが、草木灰は有機質から作られているので、有機質肥料に分類されている場合が多いですが、完全燃焼し酸化された物は無機質ですから有機質肥料ではありません。

鉢植えの寒肥
2〜3年植え替えない宿根草の鉢植えのみ寒肥を施しています。ただし未発酵有機肥料は使わず、マグアンプKなどの緩効性の化成肥料を使っています。
また植え付け時や植え替え時にマグアンプKの大粒(2年間効果がある)をたい肥と一緒に施した鉢植えには寒肥は必要ありませんので施しません。




自家製腐葉土の作り方

・・・・・・・・続く


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