モミジアオイ(別名:紅蜀葵 こうしょっき)の栽培暦と育て方

2011年01月02日 更新

学名:
和名:
分類:
性状:
原産地:
特徴:
Hibiscus coccineus.
モミジアオイ
アオイ科フヨウ(ハイビスカス)属
耐寒性宿根草
北アメリカ南東部
耐寒性、耐暑性ともに高い。強い日照を好むので、陽当たりの良い屋外で管理。
根は広く、深く張るので、2年目から10号鉢以上が必要。高さは1年目は1mを少し超えるぐらいですが、2年目以降は毎年株立ちし増えていき、高さは1.5mを超えます。
花期は7月中旬から10月中旬頃まで
種まきは気温が25度を超える5月上旬頃から可能です。

モミジアオイは2007年春からたった1粒の種から実生で育てています。

モミジアオイの育て方はこちらにまとめてありますので、栽培暦と合わせて読んでいただけたらより分かりやすいかと思います!

種まきから育てるモミジアオイの栽培記録(2010年)はこちらです!

このページは、Cometのサボテン栽培日記に投稿した内容をまとめ直したもののため、最新の情報では無い場合があります。
モミジアオイの最新情報はCometのサボテン栽培日記の草花・鉢植えで確認願います。


2009年(実生から3年目)以降の栽培暦です!

2009年3月8日
新芽が出る前に植え替えました。
猛烈に根詰まりしていましたので、根鉢を半分以上崩して、同じ12号鉢に植え込みました。
培養土のレシピは以下の通りです。
赤玉5:腐葉土2:たい肥2:日向土1
鉢底にはパミス(10〜15mm)を入れました。
肥料はマグアンプK中粒を2つまみ、発酵油かす粉末(油かすを湿らせ発酵させた自家製)を大さじ2杯入れました。
またかなり根を切り詰めたので、最初の水やりはメネデールを与えました。
以降も日当たり良い場所で、管理しました。水やりは表土が乾いたらタップリ与えました。水やり実績は平均で2日に1回ぐらいでした。

2009年4月13日(発芽から0日)
3株の新芽が上がってきました。植え替え時にかなり根を切り縮めたので心配でしたが、遅れながらもなんとか発芽してくれて安心しました。(2008年の発芽は3月28日でした)
以降の水やりでは、病害虫予防も兼ねて500倍の木酢液を週に1回与えました。(5月中旬まで)

モミジアオイの新芽

2009年4月22日(発芽から9日目 10cm)
最初に発芽した株は10cm近くになり、合計で11の株が発芽しました。

モミジアオイの新芽

2009年5月13日(発芽から30日目 45cm)
生長期に入りました。最も生長している株で高さが45cmを越えました。葉の形もモミジアオイらしくなってきました。モミジアオイはその名の由来通り、葉に特徴があり紅葉葉で深い切れ込みがありますが、アメリカフヨウとの交配種では切れ込みが浅かったり、ほとんどなかったりします。また花の色もモミジアオイが深い紅色ですが、交配種では色が薄かったり、ピンク色になったりするようです。

生長中のモミジアオイ

株の生長に伴い、猛烈に鉢が乾くようになってきました。ここ数日は高温低湿度のため朝、夕の2回の水やりが必要です。鉢が同じサイズ(12号)で昨年(2008年)の倍以上の11株が一気に生長しているのですから仕方ないかも知れませんが夏場がちょっと心配になるほど土の乾きが早いです。
発芽以降ここまでの水やりは雨の日以外はほぼ毎日、土の乾き具合で朝夕の2回の日も多くありました。

2009年6月14日(発芽から62日目 102cm)
発芽したときは11株あったのですが、2株だけがかなり生長遅いので間引きました。ですから9株が生長しています。

生長中のモミジアオイ

一番大きく育っている株は1mを2cmほど越えました。ですが平均は70cmを少し越えたぐらいです。
モミジアオイは水を欲しがる方ですが、12号鉢に9株なので、今の時期は朝夕2回の水やりが必要です。
肥料は月に2回程度与えています。先月までは観葉植物用ハイポネックスハイグレード(N:P:K=7:4:4)を2000倍で、今月からは草花用(N:P:K=6:10:5)を1000倍で与えています。
開花は発芽から110〜120日ぐらいかかりますので、発芽が遅かった今年(2009年)は7月31〜8月10日頃になるのではないかと思われます。

2009年6月28日(発芽から76日目 130cm)
かなり生長しました。
大きいのは1m30cmに達しました。また1株生長が遅く、下葉が黄変したのが多くなったので間引きました。現在8株が生長中です!

生長中のモミジアオイ

4株は1mを越えましたが、残りの4株は70〜90cm程度です。
かなり大きくなってきましたので、1mを越えた株には台風などの風対策で支柱を立てる必要がでてきました。
昨年(2008年)最も生長した株で1m50cmほどで、最も小さいので90cmほどでしたので、来月上旬には達する見込みです。
ですから先の予想通り、開花は来月下旬頃かな?!
今の時期水が不足すると、下葉が黄変し落ちるようになりますので、朝夕の水やりはもちろんですが、表土にバークチップを置いたりして水の蒸散を少なくする方法も有効です!

病気はこれまでかかったことはありません。
害虫もアブラムシ、ハダニなどは付きませんが、バッタとカミキリムシは要注意です。モミジアオイは元々葉っぱの数も多い方ではありませんし、葉っぱの面積も少ないので、葉が傷んだり、数が減ったりすると花芽の数に影響しやすいようです。

あとは水やりと日照、風で倒れないように注意しながら育てれば、立派な花を咲かせてくれると思います!!

2009年7月1日(発芽から79日目)
朝から強風で1mを越えた株には支柱を立てて、避難させました。
午後6時過ぎから雨が降り始めましたが、その少し前にピタッと風が止みましたので、避難先のモミジアオイの花芽を撮影しました。

モミジアオイの花芽 モミジアオイの花芽

よく見ると高さ1mを越えた他の2株も1〜2日で花芽が出てきそうな感じです。
昨年(2008年)の花芽確認は7月3日でしたので、2日早い確認となりました。
開花まで約4週間ほどかかりますので、最初の花は今月末までには開花してくれそうです!
2008年の開花は7月28日でした。

2009年7月12日(発芽から90日目 150cm)
4株は140〜150cmになりました。残りの4株も80〜100cm程度に生長しました。

大きく生長したモミジアオイ

12号での鉢植えでは140cm以上になった株は、もうこれ以上はほとんど大きくはなりませんが、しばらくすると、途中から脇芽が出てくるようになります。
花芽は120cmぐらいになれば確実につきますが、100cm前後では今の時期では花芽は着きにくい場合もあります。しかし最盛期になればけっこう低い株でも着花するようになります。我が家のモミジアオイは100cm以上の6株には花芽がついています。
今の時期の注意点は、とにかく水切れしないように最低でも朝夕2回はたっぷりと水やりすることと、強風で枝が折れないように、しっかりと支柱を立てることです。
地植え株であれば、この時期肥料もほとんど必要ありませんが、、鉢植えの場合は水やりの回数が増えることによる肥料の流出も多くなりますし、我が家のように生育の差が大きい場合などは、少し与えた方が良いと思います。
今の感じだと今年は少し早く開花しそうな気がします!!

2009年7月16日(発芽から94日目)
脇芽が出てきました。この脇芽が延びると、この先にも花芽が着きますので、水切れなどで枯らさないよう気をつけて育てていきます。

モミジアオイの脇芽

花芽は8株全てに着きました!パチパチパチ!!
最初花芽は天頂部に6ヶつきます。この天頂部の花芽が咲き終わる頃には脇芽も伸び、脇芽にも花芽が着き、次々に開花していきます。

モミジアオイの花芽

最も生長している株の花芽です。左の花芽はあと数日で開花しそうな感じです!
我が家にはもうこれ以上モミジアオイは必要ありませんので、結実して株が疲労しないように、花がらはこまめに取るようにします。昨年(2008年)は近所の方が種を欲しいと言われたので、10ヶほど採種しましたが、今年は最後の2〜3ヶだけを結実させようと思っています。

モミジアオイの種子

上の写真のように1つの果実(結実)で30ヶほど種子が採種できますので、2〜3ヶも結実させれば充分の数が得られます。写真の右側の果実が1つの大きなモミジアオイの種子と勘違いしてそのまま種蒔きされた人がおられるそうですが、その場合は発芽率は極めて低くなりますので、必ず割って種子を取り出してから播種しましょう!!
我が家の株は、近所の方から頂いた、たった1つの種子を蒔いて育てた株です。地植えで何十株も育てるのであれば別ですが、鉢植えなら2〜3ヶ蒔けば充分です。発芽率も悪くないようですし!
種蒔きは関西中部であれば、遅霜の心配のなくなった5月初めが最適です!

2009年7月22日(発芽から100日目)
蕾の先端が開き、赤い花びらが少し見え始めました。
午後からは天気が回復し晴れ間も見えるようですので、たぶん開花してくれると思います。

開き始めたモミジアオイの蕾

他の株の蕾もかなり膨らんできているので、うまくいけば2〜3輪開花するかも知れません。

2009年7月23日(発芽から101日目 155cm)
昨日は天気が回復せず、午後からは小雨が降ったり、激しい夕立があったりで、開花しませんでしたが、朝一番で2輪が開花しました。もしかしたら日食の影響もあったかも?

モミジアオイの花

昨年(2008年)より5日早い開花となりました。草丈も155cmと昨年より10cm近く高くなっています。モミジアオイは花の咲く向きがバラバラなので、いつもこんな感じです。

モミジアオイの花

正面から見るとこんな感じです!
朝一番で完全に開ききっていないのですが、昨年までより花びらが若干丸い感じがします。

2009年7月25日(発芽から103日目)
23日に開花した花が結実しました。花びらが自然に落ちると(翌日には落ちます)膨らみ始めた子房がガクの中に見えます。

結実したモミジアオイ

花びらが落ちて直ぐだとガクももう少し開いているのですが、半日ほどで閉じ始めます。今年は最後の花だけ2〜3輪を結実させる予定ですので、切り落としました。

結実したモミジアオイ

ガクを2枚ほど切って撮影しています。膨らみ始めだ子房がよく分かると思います。この子房が2*3cm程度にまで膨らみ、茶色に色づき、ガクが大きく反り返ると採種の時期になります。(モミジアオイに限らず、朝顔などでも同じですが)
だいたい種子が熟成するまで30〜40日程度かかります。

2009年7月26日(発芽から104日目)
3、4輪目が開花しました。明け方は晴れていたので、午前6時にはかなり開いていました。

モミジアオイの花

花びらの開きはほぼ全開に近いですが、先端のラッパのような5つの雌しべはまだほとんど開いていません。お昼頃になるとこの5つの雌しべが下の写真のようにパッと開き反り返ります。

モミジアオイの雌しべ

雌しべが5つあるので、全て受粉すると、膨らんだ子房は5つの房に分かれます。1つの房には6ヶ前後の種子が出来ますので1つの花で30ヶほどの種子が採種できるわけです。

2009年7月27日(発芽から105日目)
雨の中4輪開花させました。昨日の2輪は完全に萎んでいます。

雨の中のモミジアオイの花

少し先端が開き、花びらが見えている花芽が2つありますので、明日もまた開花してくれそうです!
今年の開花は先日の日記にも書きましたように昨年より5日早い7月23日でしたが、発芽から見ると昨年(2008年)は3月28日発芽から122日目で開花したのですが、今年はなんと101日目での開花となりました。それだけ気温が高い日が続き、一気に生長したと言うことなのでしょうか?

2009年7月28日(発芽から106日目)
昨日の花がらを切ろうとしたところ、カマキリくんが花がらにしがみついていました。最近生け垣のプリペットなどでカマキリの抜け殻をよく見かけていましたので、この子も我が家で脱皮したカマキリと思われます?!

カマキリとモミジアオイ

今日は2輪開花しました。上の写真でも分かりますように、蕾が開いてきているのが1輪ありますので、明日11輪目が開花してくれそうです!
背の低い株全てに花芽が6ヶ以上出てきていますので、今年は花数はかなり期待してもいいかも?!!

カマキリとモミジアオイ

こんな感じ構えていましたので、この花がらは切らずに残しておきました。まだ小さいので見た目での判断は難しく、ハラビロカマキリか、もしくはオオカマキリ、チョウセンカマキリのいずれかと思われます。
最近我が家ではハラビロカマキリが多いのでハラビロカマキリの可能性が高い気がしますが?
でも顔つきはなんとなくオオカマキリっぽいのですが?!

2009年8月3日(発芽から112日目 168cm)
やっと近畿地方も梅雨が明けました。平年より15日、昨年より22日遅い梅雨明けとなりました。今日は朝から日差しもあり10時過ぎには気温は30度を越えていました。

モミジアオイの花

たっぷりの日差しを受けて、4輪開花させました。一番生長している株は170cm近くになりました。背の低い株は大きい株の半分ほどの高さしかありませんが、1輪ずつ開花させています。これで21輪の開花となりました!
この夏の予報も発表されましたが、以降は平年並みの暑い夏になるようですので、モミジアオイくんは、水切れさせないよう、最低でも朝夕2回の水やりを怠らないようにしなければなりません!
それと花がら摘みです。開花の翌日に花がらを摘むことが、花数を増やすポイントになります!!

2009年8月17日(発芽から126日目 170cm)
2輪開花しました。これでトータル47輪になりました。ちょっとペースが遅い気がします。日照があまりありませんから仕方ないかもしれませんが?!

脇芽にも花芽が着き始めたモミジアオイ

天頂部の花芽も少なくなってきたので、脇芽にもようやく花芽が出てきました。ただ今年はこの脇芽の生長が遅く、まだ1株だけです。今年は株立ちは多かったものの花数はあまり多くはならない気がしてきました。

モミジアオイの花

久々の快晴に朝早くから目一杯花びらを広げています!!

2009年9月6日(発芽から146日目 175cm)

モミジアオイの花

今日開花した1輪(58輪目)と昨日の花がらがいっしょに写っています。まだ花芽は20ほど着いているのですが、昨年は9月15日が最後の開花でしたから最後まで咲いてくれるでしょうか?
でも最初の年(2007年)は10月18日まで開花しましたからかなり寒くなっても開花はできるようですが?
今年はどうでしょう!

2009年9月12日(発芽から152日目 175cm)
花がら摘みをしなくなって10日が過ぎました。最初に結実した子房は、かなり膨らみ大きくなりました。

膨らんだモミジアオイの子房

今年は高さがかなり高く、鉢を入れて2m20cmほどあるので、その天辺に結実しているので、分かりにくいですが、大きさは2*3cmぐらいになっています。(写真は一昨日のものです)
あと30日ぐらいで、茶色く色づき、周辺のガクが大きく反り返り採種時期になります。採種まではなるべく雨に当てないようにしないと、腐ったり、落ちやすくなるので注意が必要です!(これぐらいの大きさまで膨らんでいると大丈夫だと思いますが)

2009年9月13日(発芽から153日目 175cm)
昨日の日照ゼロから打って変わって朝から快晴です!朝は冷え込みましたが、日が当たるところは直ぐに気温が上がり、モミジアオイも9時過ぎから開き始めました。

モミジアオイの花

5日ぶりの開花ですし、また4輪の同時開花も久しぶりです。
これで合計64輪となり昨年の開花数に並びました。パチパチパチ!!

モミジアオイの花

脇芽からも2輪開花させています。以前の日記にも書きましたが、今年はこの脇芽の生長があまりなく、結局2株だけになりそうです。

2009年9月20日(発芽から161日目 175cm)
1輪開花しました。現在の全体像はこんな感じです。結実が少し茶色くなってきました。もっとも大きな株で175cmほどになっています。

モミジアオイ

花芽はあと1輪です。気温がかなり下がってきたのでもう新しい花芽は出てこないでしょう。
現在69輪目ですので今年は70輪で終わりかも?

2009年9月27日(発芽から167日目 175cm)
23日が最後の開花かなと思っていたのですが、なんと脇芽に付いていた凄く小さかった花芽が4日連続の真夏日のおかげで開花しました。

モミジアオイの花

もう花芽はでてきそうなところはありませんので、これが今年最後の開花と思います。

今年は発芽から101日目の7月23日に開花が始まり、167日目の本日 9月27日までで71輪を開花させました。
開花期間は昨年より15日も長かったのですが、開花数は7輪多かっただけでした。まあ今年は梅雨明けがかなり遅 かったのと、以降も日照が平年の5割程度しかなかったことなどが、花数が思ったほど伸びなかった原因と思われます。
以降は、雨に当てないようにして、種子を熟成させます。結実から40日ぐらいで、周辺のガクが大きく反り返りますので、そうなれば採種できます。あまり長く 着けておくと今度は弾けて種が落ちてしまいますので、種子が茶色くなったら注意したほうがいいと思います。通風のある袋を被せたりしてもいいでしょう。ま た子房を大きくし熟成させるのはとにかく雨に当てないようにしましょう!モミジアオイの種子は雨に当てると簡単に痛んだり、落ちたりします。また水やりや 肥料も少なかったりすると子房が大きく膨らみませんので、しばらくは今までと同じように与えた方がいいと思います。

2009年10月1日(発芽から171日目 175cm)
昨日の雨で3ヶほど結実が落ちました。今日は晴れましたが、明日以降一週間ほどは雨が降りやすいようなので、最適なものばかりでありませんが、かなり乾燥が進んでいるものを4ヶ採種しました。

モミジアオの結実

採種に適したタネは上の写真のように子房が茶色に色づき、ガクが大きく反ったものが最適です。そして萼より下で、花茎を少し残して切ります。

モミジアオの種子

この結実が一つの種ではありません。この実の中に種が入っていて、小ぶりもので10ヶほど、大きい実には30ヶ近くの種子が入っています。採種して直ぐには割って出したりしません。通気性のある不織布などに入れ1〜2ヶ月ほど乾燥させます。球根を乾燥させる網などでも良いのですが子房が割れてタネがこぼれてしまうこともありますので、その場合はかなり目の細かな物を使いましょう!
十分乾燥させたら、子房を割り中のタネを取り出し、紙袋などに入れます。それを乾燥剤と一緒に空き缶などの光が入らない密閉容器にいれて冷蔵庫で保存します。
播種(種まき)時期は、関西であれば5月上旬GW過ぎ頃でしょうか!最高気温が25度を超え始めればOKです。

2009年10月18日(発芽から188日目 175cm)
かなり葉が黄変し、落ちるようになってきましたので、種子が着いている枝と新しく葉が出てきている枝以外は枯れた枝葉を落としました。

枯れ始めたモミジアオイ

こんな感じです。気温がかなり下がってきているので、今までと違いやや乾燥気味に管理します。我が家の株では2日に1回ぐらいの水やりでしょうか!今残っている葉も来月上旬にはすべて落ちますので、そうすれば地際で切り戻します。

2009年10月28日(発芽から198日目 175cm)
モミジアオイの種子もあと2ヶになりました。1ヶは完全に熟しましたので採種しました。

モミジアオイの種子 モミジアオイの種子

左の写真の方は萼が完全に反り返り、種子の色も茶色くなっていますので、採種に最適な状態です。右側の種子はあと2週間ぐらいは熟成させる必要があります。熟した種子は下の写真ように花茎を3cmほど残して切り取ります。

モミジアオイの種子

以前の日記でも書いていますが、採種して直ぐには割って出したりはしません。通気性のある不織布などに入れ1〜2ヶ月ほど乾燥させます。球根を乾燥させる網などでも良いのですが子房が割れてタネがこぼれてしまうこともありますので、その場合はかなり目の細かな物を使いましょう!

モミジアオイの種子

十分乾燥させたら、上の写真ように子房を割り中のタネを取り出し、紙袋などに入れます。それを乾燥剤と一緒に空き缶などの光が入らない密閉容器にいれて冷蔵庫で保存します。
採種が8月下旬頃(つまり7月中旬頃に開花した花の種子)であれば取り蒔き(取って直ぐに蒔くこと)と言って発芽率が最も高くなるので、その頃蒔いても良いのですが、現在のように気温が低い時期に蒔くと発芽率が落ちるので、上記のように保存して、翌年、関西であれば5月上旬から中旬頃(最高気温が25度を超える頃)に蒔きます。

あと1ヶの種子が熟したら、地際で切り戻します。昨年は11月14日に切り戻したので、今年もだいたいその頃になると思います。
植え替えですが、鉢の乾きぐらいから考えると12月に入ると休眠するようですので、この頃から芽が動き出す前の3月上旬頃までが植え替え時期と言えます。もう少し早いほうがいいかと思うのですが、2008年は3月15日、2009年は3月8日に植え替えています。

2009年11月8日(発芽から209日目)
最後の1ヶの結実が熟成する前に落ちてしまいましたので、地際で切り戻ししました。葉も殆ど枯れて落ちていましたので、熟成できなかったのだと思われます。
中央の細い枝、最も黒くなっている切り跡が2007年の切り戻しで、その周辺の5つが2008年の切り戻しの跡です。そしてその周辺の8ヶの新しい枝が今年の切り戻しの跡です。年々発芽する株が増えていっています。来年は何株ぐらい発芽してくれるのでしょうか?この鉢のサイズなら今年ぐらいが限界かもしれませんが?!

切り戻したモミジアオイ

切り戻しから植え替えまでの間は雨の当たらないところで管理します。これまでの実績からすると週に1回程度の水やりになります。休眠中であればいつでも植え替えても問題は無いかと思いますが、私は芽が動く直前、3月前後に植え替えています。


2010年の栽培暦です!

2010年03月22日
モミジアオイを植え替えました。昨年(2009年)より2週間遅れです。
何故遅らせたかというと、新芽が出ていたら、株分けしようと思っていたからです。

モミジアオイの植え替え

12号鉢ですが、ものすごい根鉢になっていました。根は表土にまでびっしり張っています。

モミジアオイの<br />株

思いっきり根鉢を崩して(土を全部落としました)、新芽が 出ているか確認しましたが、出ていませんでした。
普通に植え替えの場合はこんなに根鉢崩さなくてもいいですよ!ただものすごい根張りですので、もし同じ鉢に植え替えるのであれば最低でも根鉢の下半分と周囲の土を2〜3cm落とすぐらいはしておく必要があります!!
でも根は凄いですよ、中の方は1〜2cmぐらいの太さの根がびっしりですからね!
株分けするにも鋏(ハサミ)なんかでは絶対に切れないです。のこぎりで切って、切断面を消毒してからカルスメイトを塗布して、2〜3日乾かして植え込みといった感じでやらないといけないよ うですね!
乾燥中は根が乾かないように、戻した水苔で根を包み、濡れた新聞紙でさらに巻いて、ビニール袋を被せておく必要がありそうです。ですから増やし方は株分けな んて気楽に書いていましたが、株分けはかなり手間がかかりそうです。またちゃんと株分けするためには、発芽してから株分けしないと駄目だと思います。


地植えしたモミジアオイ

株分けできそうだったら小さめの株を鉢で育てようと思っていたのですが、無理だったので、地植えにしちゃいました。
自家製腐葉土をたっぷり鋤込み、1年間休ませていたところですので、ふかふかの土になっていますので、たい肥とマグアンプだけを適量施し、株を植え込み,たっぷり水やりして終了です。

2010年06月18日(発芽55日目 105cm)
3月22日に地植えしたモミジアオイですが、根鉢を大きく崩して植え込んだせいと、植え付け場所の春の陽当たりが悪いこともあり、なかなか新芽が上がって来ませんでした。4月25日にやっと1つだけ上がってきましたが、以降なかなか生長しませんでした。そんな地植え株だったので、4月27日に実生を始めたわけですが、5月中頃からようやく地植え株が生長始めました。現在はもっとも大きな株で105cm、小さな株でも60cmほどにまで生長しました。ところが新芽を何者かに食われました!(写真は今朝雨の降る前のものです)

地植えのモミジアオイ

写真は70cmほどに生長した株ですが、結構食われています。葉裏などには特に虫も付いていませんでしたし、ナメクジの通った跡もありませんでした。バッタ の可能性が高いです。写真でも分かりますが、新芽の感じが今までのモミジアオイとずいぶん違います。普通は縁と太い葉脈が赤くなるのですが、かなり時間が 経たないと赤くなりません。陽当たりの性なのか、それともアジサイのためにけっこうアルカリ性にしたためかは分かりませんが、今までとは雰囲気が違うのでこの写真だけではモミジアオイとは分かりにくいかもしれません。
でもさすがに地植え株です。発芽後55日で1m越えは立派です!!

2010年06月24日(発芽60日目 110cm)
地植えのモミジアオイを食った犯人を見つけました。前回の日記ではバッタの可能性が高いと書いていましたが、違いました。

ラミーカミキリに食われた地植えのモミジアオイ

こいつです!
ラミーカミキリというカミキリムシです。これまでどこかで見たこともあるような気もするのですが、自宅で見たのは初めてです。しかもモミジアオイを食っていました。葉っぱを食われるのはまあそれほど被害が大きいわけではありませんが、茎を食われると、そこから先が全部萎れて枯れてしまうので被害は甚大です。 モミジアオイはもともとそれほど葉っぱの数が多いわけではありませんので生長や花数にかなり影響しそうです。
撮影後直ぐに1匹は捕獲しましたが、2〜3匹は逃げられてしまいました。
それと実生の株は順調に育っていたのですが、こちらは生まれたてのバッタにやられました。現在葉っぱは3〜4cm程度まで大きくなってきましたが、その葉っぱ1枚に10匹以上の生まれたてのショウリョウバッタが全面に張り付いていました。ちょっと離れれば色は全く同じなので全く分かりませんでした。
浸透移行性のあるオルトラン粒剤を発芽後すぐに散布していましたが、バッタやカミキリムシには効きませんのでこれらに効果のある殺虫剤が必要です。
殺虫剤としてはスミチオンやマラソン乳剤が有名ですが、少量だけ作るのが面倒だし、目の前のバッタなんかに直ぐに使えないので、手軽な園芸用キンチョールを散布しました。今日明日はかなり気温が上がり日差しもあるようですので散布した実生のモミジアオイは日陰に移しました。

2010年07月05日(発芽71日目 135cm)
発芽はかなり遅くなりましたが、生長し始めるとさすがに地植えの大株なので一気に大きくなり発芽後71日目で135cmに達しました。

地植えのモミジアオイ

昨年の鉢植え(12号鉢)は76日目で130cmしかありませんでしたから、1週間も早い生育です。ですが今年はかなり日照不足ですので、花数はそれほど多 くは望めないでしょう。しかも株立ちも4株しかありませんので、昨年の半分です。鉢植えの実生は先日バッタの被害で、新芽が落ちてしまいました。生長点が かなりやられているようで、天頂からは新芽が出てきていません。ですが3枚ほど下から脇芽が出て来ましたので、それが生長すると思われます。近くに置いている、キキョウやハナトラノオもかなり食われているみたいです。キキョウは花芽がようやく上がって来ましたので、バッタを確実に駆除しないと花芽までやられてしまいます。

今日は梅雨の晴れ間で気温もかなり上がりました。朝からずっと外で仕事で先ほど帰ってきたのですが、2階の客間の温度計の最高気温が36.8度になっていました。明日は最高気温はやや下がるみたいですが、今晩は熱帯夜のようです。今の時間でもPC横の温度計は29度です。 しかもエアコン入れていると言うのに!

2010年07月24日(発芽90日目 165cm)
花芽がだいぶ膨らんできました。3株で8ヶほどです。天頂部には、たいてい花芽は6ヶ着くのですが、先日見たらアブラムシが大繁殖して何ヶかの花芽が痛んでしまっていました。

モミジアオイの花芽

鉢植えでの栽培時はオルトラン粒剤を散布したりしていたので、アブラムシが着くことはありませんでしたが、地植え株には何も薬剤は使っていないので、着いたようです。アブラムシは勝手にやってきて着くのではありません。アリが運んできて寄生させるのです。ですからアリを退治しない限りいたちごっこです。ですがオルトランなどを散布しておけば、例え寄生させられても、直ぐに薬の効果で駆除されるので花芽が痛んだりすることはありません。地植え株には粒剤はあまり効果的ではありませんので、液剤を花芽などの天頂部に散布しておくのがいいかと思います。

2010年08月04日(発芽101日目 170cm)
花芽がだいぶ膨らんできました。明日1輪は開花しそうです。それとアブラムシにやられた株にも新たに花芽が出て来て、現在5株で30ほどの花芽が出て来ています。

開花目前のモミジアオイの花芽

赤い花びらが開いた先端から覗いています。発芽から今日で101日目です。昨年の鉢植えは発芽から101日目で開花しましたから、平年並みの開花になりそうです。でも根鉢を完全に崩し、なかなか発芽しなかったことを考えると本当によく頑張ったと思います。明日以降も天気が良さそうですので、次から次へ開花してくれそうです?!
でも昨年は8株でしたが今年は5株ですので、開花総数はかなり少なくなりそうです!!

2010年08月05日(発芽102日目 170cm)
開花しました。発芽後102日目、高さ170cmでの開花です。しかも1段高い花壇に植え付けてあるので、2m近い位置で咲いています。

モミジアオイ開花

枝が少ないですので、数輪の同時開花はなかなか実現しないかもしれませんが、割と連続して開花してくれそうです。このモミジアオイも1日花です。
もし種を取るのであれば、モミジアオイは同花受粉できますので、ラッパのような雌しべが展開したら直ぐに受粉させます。
栽培場所の日照条件などで変わりますが、日当 たりの良い場所であれば、午前9時頃までには展開すると思います。また近隣にアメリカフヨウなどがある場合、虫により異種間の交雑がおこなわれる場合がありますので、開花する前日から虫除けを花に被せておく必要があります。

ワタもわりとコンスタントに開花させ、今朝も2輪、12輪目までを開花させていました。ワタもかなり大きな結実を着けるので、通常より2〜3倍に薄めた液肥を週1回程度与えます。またハイポネックスのような液肥は酸性が 強いので、中性から弱アルカリ性を好むワタにはよくありませんので、少量の石灰なども定期的に散布します。でもやり過ぎは厳禁です。肥料が多いと逆に結実 を落としやすくなりますので!!

今朝2階の客間の温度計を見たら、昨日の客間の最低気温は31.2度でした。何という暑さ!!
こりゃ植物も休まりませんねぇ!!!

2010年08月08日(発芽105日目 175cm)
昨日、今日と2日連続で2輪ずつ開花させました。一番最初の花は花がらが取れましたが、残った顎の中には結実した子房が膨らみ始めていました。

開花中のモミジアオイ

写真は午前6時過ぎの様子です。本日開花した2輪と昨日開花の2輪の花がらと一番花の結実が分かります!地植えの株の2株は175cmを超えていますが、3株は110〜120cmほどですので、開花した花のアップなんかは撮りやすいですが、全景は逆に取りにくいですねぇ!しかも一昨日の激しい夕立で手前に倒 れてきているので、なおさらです!

我が家は鉢植えも栽培していますので、モミジアオイの種子は必要ありませんので、株が疲れないように花 がらはこまめに取り除いていきます。できれば開花したその日の夕方に摘むのがいいと思います。毎年ご近所で欲しいと言われる方がありますので、そのための種子は、なるべく最後に近くなったときに結実させるようにします。ベストの種子はなるべく早い時期の方がいいのかもしれませんが、翌年播種することを考えればなるべく遅い方がいいみたいです。ただしあまり遅い時期ですと十分に熟さないうちに落ちてしまったりするので、天頂部の花が一通り開花すれば以降の花は結実させることにしています。

昨晩も熱帯夜でしたが、気温の上昇それほどなく、現在9時少し前ですが29度ほどです。8月に入って以降 午前7時には30度を超えていましたが、そういったことからするとけっこう涼しいです!まあ昨日立秋でしたから秋の気配が出て来たと言うことでしょう か??そういえば数日前から庭で鈴虫の鳴き声がしていましたねぇ!

2010年08月16日(発芽113日目 180cm)
3輪開花させました。 1mを少し超えた手間の株と1m弱で先日の雨でかなり傾いた株と、1m80cm近くにまで生長した株で開花したので、かなり引いて撮らないと入りません。昨日開花した1輪の花がらも見えています。写真は午前7時過ぎに撮影したものですが、撮影後花がらは切りました。

地植えのモミジアオイ開花

写真の下中央やや左と右端にギボウシの花芽が上がってきているのが写っています。あと1週間ぐらいで高さ1mほどにまで花茎が伸び、月末頃には満開になると思います。ただ今年は1/3以上が日焼けして葉っぱがかなり無くなりましたので、花芽の生長が遅く開花も1週間以上遅れそうです。木陰に置いてある鉢植えの方が開花が早まりそうです。今年の猛暑のすごさが分かります。

2010年08月20日(発芽117日目 180cm)
2輪開花させました。今日はたいへん強い日差しで、光沢のある花びらがよりいっそう冴えていました。

モミジアオイの花

300mmF2.8での久々の撮影です。モミジアオイも被写体としてもけっこういけてます!!フルサイズのCCDならもっとボケるのですが、こんなもんです。先日の日記にも 書きましたが、デジカメの修理があがったので、取りに行ってきました。修理内容はシャッタースピードが正しく出ない。それとオーバーホールです。なんせ7 年間使っていますのでねぇ!!修理具合を確認するためにいろんなレンズを着けて撮影。マニュアルレンズやAF、魚眼レンズや望遠など一応全てのレンズで確認にしましたが、今のところは大丈夫そうです。

2010年09月23日(発芽151日目 210cm)
地植えのモミジアオイの花がらを切らなくなって1週間が経ちました。その頃受粉したものは左の写真のようにずいぶん子房が膨らみ結実らしくなってきています。今日は明け方前から強い雨が降っていましたので、右の写真のように開花しているもののずいぶん傾いてしまっています。今日は2輪開花していてこれで開花数は47輪になりました。

モミジアオイの結実とツマグロヒョウモン 雨で傾いてしまったモミジアオイの花

結実初期は雨に当たると落ちやすいので、鉢植えの場合などは雨が当たらないように軒下に移動させていましたが、地植えはそうはいきませんので、確実に採種するのであればビニール袋でも被せておいた方がいいと思います。左の写真良く見るとツマグロヒョウモンが雨宿りしています。こんな細い葉っぱで雨宿りしなくても、直ぐ隣にヤツデやマサキなどがあるのにねぇ!

今日は寒いですね!昼過ぎでも20度を少し超えたぐらいですので、半袖、短パンではかなり寒いです!!

2010年の開花期間は8月5日(発芽から102日目)から10月4日(発芽から162日目)で開花総数は52輪でした。

2010年11月10日(発芽199日目 210cm)
地際で切り戻しました



・・・・・・・・・・・続く



種まきから育てるモミジアオイの栽培記録はこちらです!

モミジアオイの最新情報はCometのサボテン栽培日記の草花・鉢植えで確認願います。


モミジアオイの育て方
上の日記を読んでいただければ分かると思いますが、簡単にまとめておきます。

栽培環境や培養土、株の大きさ、健康状態などによっても大きく変わりますので、ご注意ください。
関西中部( 気温はマイナス4度からプラス42度ぐらい)での鉢植え(プラ鉢)、屋外栽培の場合

生育期
3月〜11月末頃

株分け適期
新芽が出始めた頃、3月下旬から4月中旬頃

種まき(播種)時期 種まきから育てるモミジアオイの栽培記録はこちらです!
最高気温が25度を超える頃、関西では5月上旬

開花時期
7月中旬から10月中旬

休眠期
12月〜2月末頃

置き場所
日光が大好きなのでなるべく直射光が長時間当たる屋外。
ただし実生の場合は本葉2〜4枚ほど出るまでは午前中陽が当たり午後から日陰になるようなところ。

培養土
赤玉7:腐葉土3の一般的な培養土でOKです。栽培環境に応じて保水力を上げたり、排水性を改善したりしてください。
元肥としてマグアンプ中粒や発酵油かすなどを施しておきます。
ただし夏場は乾きすぎないように、表面にバークチップなどを置いて表面から蒸散をさける工夫などが必要です。


実生2年目からは高さは1.5m以上になるので、最低でも駄温鉢の8号ぐらいは必要です。(大きさと重さが必要)
ですが焼き鉢や駄温鉢などでは夏場乾きすぎるのでやや水持ちの良い培養土にするなど工夫が必要です。
我が家はプラ鉢ですが12号です。これでも風が強いと吹っ飛びます。

水やり
わりと水を好む植物なので培養土や鉢にもよりますが、表土が乾いたらたっぷりと与えてください。
また夏場は水切れするとすぐに葉が垂れ下がり、花芽も下を向いたりするので、直ぐに分かります。
我が家は12号のプラ深鉢でかつ培養土も水持ち良くしていますが、終日真夏の太陽を浴びる場所に置いているので1日3回の水やりする時もあります。夏場の日中、水やりすると根が煮えるなどと言う人もありますが、そんな事はありません。水やりすると鉢内の温度は確実に下がります。
地際で切り戻し後の冬場でも、底まで乾いたらしっかり水やりします。


生育旺盛ですので、生長を見ながら適宜与えてください。
ただし日当たりが悪い場所ですと徒長しやすいのでやや控えめに。
目安として発芽から2ヶ月ぐらいは月2回程度葉肥(N窒素多めの)をメインに与え、以降開花までは花肥(P燐酸が多めの)を同じように与えます。
開花中は水やりが多いので鉢内の肥料の流出も多くなり不足する場合もあるので、NPKのバランスの取れた肥料を薄めに与えます。(薄めに与えるのは、開花中は水の蒸散が多いので、土中の肥料の濃度がかってに上がってしまうため)

手入れ
花をたくさん咲かすには、すくなくとも開花の翌日には花がらを切ること。開花した日の夜がベストです!
病害虫はほとんどありませんが、我が家ではバッタに葉を食べられることがありますので見つけたら駆除しています。またカミキリムシが葉を切ることがあるのでやはり見つけたら駆除しています。
1mを超えると風で倒れやすくなりますし、折れたりもしますので、支柱を立てます。市販されている支柱でもかまいませんがあまり長いのが置いていない場合もありますので、私はナンテンの古枝(堅くて真っ直ぐですので)を使ったりします。
採種するには、なるべく雨に当てないように。特に受粉直後は落ちやすいです。

冬越し
晩秋になったら葉が黄変して落ちて丸坊主になりますので、地際で刈り取ります。休眠中は鉢が凍らないように日当たりの良い軒下などで管理します。
また地上部が無くても割と培養土は乾きますので、水やりを忘れないようにします。この時期の我が家での水やり実績は7〜10日に1回です。

植え替え
生育旺盛なので、毎年植え替えないと直ぐに根詰まりします。
どんな植物でもそうですが、植え替え時期は栽培環境や栽培者によっていろいろ考えがあると思います。
私は2月〜3月の新芽が動き出す前に植え替えています。
やったことはありませんが、休眠に入って直ぐの12月でも、また新芽が出てきて十分暖かくなった5月でも植え替えできると思います。

増やし方
株分けや実生で行えます。株分けであれば最初の年から花が咲きますので、早く花が見たい方は株分けを、たくさん増やす場合は実生を行います。

株分け
実生3年目以上の十分大きくなった株なら新芽が出てきたら植え替えを兼ねて、株分けすることが出来ます。時期は3月下旬から4月下旬ぐらい、あまり遅いと以降の生育に影響が出やすい。でも早すぎるとどの株にいくつ新芽が出てくるか分からないので、バランス良く株分けできないので株の大きさにもよりますが表土から4〜5株ぐらい出てぐらいが適期と思います!
実生3年の株の大きさはこちらです。記事にも書いていますが、株はのこぎりで切らないといけなほど堅いですし、株分けはかなり大変です!

実生(種から育てること 種まきして育てること)(基本的な播種の方法、管理は理解されているとして記述しています)

取り蒔き(採種して直ぐに蒔くこと)(
私は取り蒔きをしたことはありませんが、近くの地植え株がこぼれ種で9月中頃に新芽を出しているのをよく見かけますので以下の方法でたぶん大丈夫だと思います)
7月中旬に開花したものは受粉すれば、8月末頃には熟成しますので、良く熟した大きな果実を選び直ぐに子房を割って、3mm以上の大きさの種子だけを蒔きます。(以下に記した芽切りを行っても行わなくても熟成直後は皮が柔らかいので発芽率はかなり高いと思われますが、発芽時期をそろえる意味では、行った方がいいかも?)
5号鉢に培養土(ただし上部3cmほどは種蒔き用の培養土にします)を入れ1鉢に5ヶずつぐらい蒔きます。良く熟した果実には大きな種子が30ヶ近くは入っていますので、5〜6鉢は蒔けるでしょう。
1鉢の全ての種が発芽したら、保湿用のシートなどを取り除き、また本葉が2枚出たあたりからは、なるべく日当たりの良い場所に移して育てます。
5〜10cmほどになったら、最も生育の良い株を1鉢に1株だけ残し、摘み取ります。なるべく大きく生長させた方が来年の生育が違うと思いますので、特に関東以北などでは10月に入ればビニールハウスなどで栽培したほうがいいかもしれません。
天候にもよりますが、晩秋には30cmほどになってその年は地上部が枯れます。(地植え株では40〜50cm程度にまで生長したのを見たことがあります)
翌年発芽したら、根鉢を崩さず、そのまま8号鉢などに植え替えたり、地植えします。

取り蒔きができるのは地域にもよりますが、8月下旬頃までですので、それ以降に採種したのは翌年に蒔きます。管理が良くても2年も、3年も前の種子では発芽率がかなり下がりますので、必ず前年に採種した種子を蒔きましょう!!

播種時期(種まきの時期)  2010年の実生日記はこちら
関西では最高気温が25度を超え始めた頃。5月初旬のGW頃
取り蒔きと同じで5号鉢に培養土(ただし上部3cmほどは種蒔き用の培養土にします)を入れ1鉢に5ヶずつぐらい蒔きます。半年以上乾燥させた種子の皮はかなり固くなっていますので、以下に記した芽切りなどをおこなった方が発芽率は上がりますし、発芽時期が割と揃いますのでいいかと思います。
もちろん種蒔き用の培養土を角鉢などに入れ、全ての種子を蒔いて、発芽し双葉が出た頃に4号鉢ぐらいに1株ごと鉢上げするなど一般的なやり方が良いかもしれませんが、何十株も育てる場合は別として、数鉢でよければそんなに神経質になる必要ないと思います。一鉢でも置き場所に困りますからね!!
発芽し、5〜10cmほどになったら、最も生育の良い株を1鉢に1株だけ残し、摘み取ります。
梅雨明けすると5号鉢では水が持ちませんので、7〜8号鉢に鉢上げします。
1mぐらいまで生長しますが多くの場合は開花しないようです。我が家では大変希なようですが、2007年5月に実生したときは同年10月11日と18日に各1輪ずつ開花しました。また今年2010年の実生でも10月21日に1輪開花させました。
晩秋になりますと葉が黄変し落ちますので、地際で切り戻します。

我が家では特に人間が受粉援助をしなくても(たぶん自動同花受粉ではなく、虫が受粉援助しているようです)ほとんどが結実しているみたいですが、確実に採種するには人間が受粉援助した方がいいと思います。

受粉
受粉の仕方は雄しべや雌しべや花の形や開き方や開花期間で変わりますが、モミジアオイは雄しべも雌しべもしっかり見えますし、同花受粉できますので一般的な方法でいいと思われます。
まず、雄しべが花粉を出しているのを確認します。もちろん雌しべも開いている必要がありますので、同時に確認します。(完全に花が開き切った頃 季節や天候にもよりますが7月中旬ならば午前6時頃)
花粉が出ていたらなるべく多くの雄しべをピンセットなどではさみ、鋏で根元から切り取る。筆で落とすと結構無駄になるので雄しべを切り取った方がいいかと思いますがモミジアオイは独特の出方なのでけっこう難しいです。どちらかやりやすい方法でどうぞ!
雄しべの花粉を雌しべに付ける。
3時間後ぐらいに残りの雄しべを切り取り雌しべに付ける。
できれば3回ぐらい受粉させられれば確実かと思いますが、我が家のモミジアオイを見ている限りでは、2回受粉で十分かと思います。

細かいことを言うと、他の品種との交配が行われないとも限りませんので(近くに開花中のアメリカフヨウがあるとか)、同花受粉を確実に行うには、翌日開花しそうな蕾みに花が開いても十分な大きさの不織布などを被せ、虫が入らないようにしておきます。そうしておかないと人間が受粉しようとする前に虫により受粉が完了しているかもしれませんので。
アサガオなどでは多くの品種を同時に栽培しているので、かってに交配してしまうことがありますので受粉には大変気を遣います!
アサガオでは蕾が開かないように細い紙製の筒状の帽子を蕾みに被せ、開花しないようにして受粉させます。
アサガオはこのようなやり方でも雄しべや雌しべの付き方からちゃんと受粉できますが、モミジアオイの雄しべと雌しべは花が開いてからでないと無理なような形状ですので開花してからの方が確実に受粉させられると思います。

採種と保管
上記を参照してください

種子の選別
種子、苗、球根などを専門に販売されているようなところ(例えばタキイ種苗株式会社等、ですがタキイ種苗株式会社ではモミジアオイの種子は販売していないみたいです。でも苗は最近販売されているみたいです)から入手された場合は問題はありませんが、自分で栽培した株から採種したものや友人から割る前の果実を分けてもらったもの、インターネットで入手した種子などでは、当然自分自身で種子の選別などを行わなければなりません。(良心的に選別してオークションなどに出されている方もおられるかもしれませんが)
業者さんは発芽率、開花率が上がるように、採種専用の株や球根を作り、採種後選別などを行い、袋詰めして販売されているのですから、播種のタイミング、以降の管理を間違わなければ発芽率がかなり高くなるのは当然です。

モミジアオイの種子 モミジアオイの種子

左上の写真の種子は、見た目が同じような果実を割ったものですが、まったく種子の大きさが違っています。左側のような種子を蒔いてもほとんど発芽しません。(1〜2ヶは発芽するかもしれませんが?)
右側の種子のサイズは全て3mmを超えています。我が家のモミジアオイの場合、数百個は見てきていますが、良く熟した果実からはだいたい3mmを超える種子が入っていましたから、モミジアオイの場合、まず3mmのサイズで選別すればいいかと思います。(ただし、モミジアオイにも個体差があると思いますので、何百個と計っても3mm以下のものしかない場合もあるかもしれませんので、そういう場合はご自身で判断してください。またアメリカフヨウとの交配種などでは種子のサイズそのものがもともと違うかもしれませんが、分かりません。)
細かなことを言いますと、同じサイズであってもより膨らみ、張りがあるものがいいかと思います。こういう基準で選別すると、右側のような立派な種子のように見えても30ヶの種子が15〜20ヶぐらいになります。

もう少し定量的におこなうには、種子をサイズで選別し、サイズごとに分けます(例えば3mm以上で0.05mmステップとか 当然マイクロメーターは必要)。
そして精密な重さを計れる天秤などがあれば、1粒ずつ重さを計り比べ、サイズごとの最も重たいものから2〜3ヶを選別すればかなりいけると思います。(重さの絶対値が分からなくても比べられればいいですので天秤があれば大丈夫です。種だけでは比較しにくいかもしれませんので、予備のおもりを乗せておくとか等工夫は必要です)
何をしたいかと言うと、種子の密度を調べて密度の大きいものを選びたいのですが、これがなかなか難しいのです。
稲の籾だねを選別するのに、塩水を使って沈んだ密度の重い種子を選別されるのは有名ですが、モミジアオイの種子用に塩水の濃度をどれぐらいにすればいいかなどは、たぶんほとんどやられたことがないと思いますし、塩水に浸けた後の洗浄やら、かなり大変ですので、上のような方法もありかと思っています。
慣れれば見た目だけで分かるようになれるかもしれませんが、モミジアオイはそれほど種見てきたわけではありませんから!

この方法で選別して発芽率が95%以上になったとか言うわけではありません。ただ種子の選別が重要だと認識していただければと思い書くことにしました。それと発芽率は種子の選別以外にも播種時期、方法、苗床の用土や湿度、温度、日照などの管理も大変影響しますのでご理解ください!

芽切り
播種前の事前準備として、芽切りがあります。
芽切りとは堅い皮に守られた種子の一部(へそ以外の場所 へそとは発根する場所)をカッター、爪切り、やすりなどで削ることで発芽しやすくする方法でアサガオ栽培では一般的に行われています。芽切りの仕方などはご自身にあった方法を探してください。
ただしモミジアオイの種子はかなり小さいので大変難しいですよ!

水に浸す(モミジアオイの種子はアサガオほど堅くないので、種まき培養土の湿度が十分保たれていればたぶん必要ないかと思います。それと芽切りせずに水に浸けても、モミジアオイの種子には細かな毛があり浮いてしまうだけで、表皮が柔らかくなったりはしません!)
芽切りした種子を一日清潔な常温の水(私は煮沸した浄水器の水を使っていますし、もちろん容器も熱湯消毒したものを使用しています)に浸します。すると給水し膨れあがりだいたい倍ぐらいの大きさになっていると思います。そして芽切りした部分から皮が破けているものと全く変化が見られない種があるはずです。下の写真左は水に浸しただけの種子です。右は芽切り後水に浸した種子で、大きさも倍近くになっています。

芽切りした種子とそうでない種子の給水後の状態

モミジアオイの場合、皮が破けたと言うより、皮が一部剥がれてしまう感じになります。皮が破けた種を蒔くとかなりの確率(アサガオだと90%以上)で発芽してくれると思います。破けなかった種子は再度違う場所を芽切りし、数時間水に浸します。それでも皮が破けない種子は破棄したほうがいいかもしれません。水に浸した種子は直ぐに蒔きますので培養土の準備が整ってから作業します。

種蒔き用培養土
市販の種蒔き用や挿し芽用の培養土があれば問題ありません。私はブレンド済みの土は持っていませんので、たいていは赤玉土(細粒0.5〜1mm)1:バーミキュライト2:ピートモス2ぐらいで使っています。
肥料分がなく清潔で、保水力のある用土であればOKということです。
種を蒔いてからは水やりできません(どうしても乾いてしまったら、霧吹きで湿らせますが乾かないようにサランラップなどして乾燥を防ぎます)ので、種を蒔く前に1日かけて十分に水をしみこませておきます。

備考
鉢植えの場合は地植えほどにはなりませんが、それでもかなり大きくなりますので、栽培数や場所をよく考えましょう!

2010年の実生日記はこちら

モミジアオイの最新情報はCometのサボテン栽培日記の草花・鉢植えで確認願います。

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Cometの栽培環境
関西中部の高温多湿、冬はけっこう寒い地域で、モミジアオイにとってもわりと厳しい環境です。
基本は外に出しっぱなし栽培ですが、厳冬期のみ軒下に移動させることもあります。
居住地は風の通り道にあるようで、日照が無くても表土は割と早く乾きます。
水は基本的には雨水(弱酸性)を使用。貯めた雨水を使う場合と雨の日に外に出す場合とがあります。
水道水はPh5.8以上〜8.6以下に定められていますが、多くはPh7以上、地域によっては8以上のアルカリ性ですので、水道水をそのまま使うことはありません。私の町の浄水場のPhは7.39(2008年3月問い合わせ時)
水道水を使う場合は浄水器を通した水を前日かそれ以上前に充分攪拌し汲み置きして使います。また弱酸性にするために500倍程度になるように木酢液を添加することもあります。
培養土のレシピ等もまだまだ試行錯誤の段階です。
もし参考にされる場合は、株の健康状態、ご自身の栽培環境等十分に考慮し自己責任でお願いします。

このページは、Cometのサボテン栽培日記で投稿した内容をまとめたものを、その後の経験等に基づき、随時加筆修正しています。
ですから日記掲載当時と若干考え方や内容に違いがありますが、ご理解ください。
またモミジアオイに関してご意見、ご質問等ございましたら、上記のCometのサボテン栽培日記の関連記事からコメントしてくだされば、答えられる範囲でお答えさせていただきます。

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