サボテン科エキノプシス属 短毛丸の植え替え

2013年11月29日 修正

移植(植え替え)
「サボテンは移植で育てる」と言われるように移植(植え替え)は大変重要で、毎年植え替えるのがのぞましい。

植え替え時期
植え替えの時期は品種により異なりますが、概ね春〜秋が適期と言えます。最近は休眠期に植え替えるのが良いと考えています。
春早い時期から花芽を付けているような品種では夏の終わり頃に植え替えを行う方が良い場合もありますし、夏に花を咲かす品種では冬の終わり頃(2月中頃)の植え替えが適期となるのです。
短毛丸の場合、我が家では5月下旬頃から花を咲かせますので、春植え替えは2月下旬、秋植え替えは9月中旬頃に植え替えを行っています。
また生長の早い品種や、株径3〜5cmぐらいの若い株は春と秋の2回の植え替えを行った方が良い場合もあります。一方実生でまだ株径1cm未満の幼苗や15年以上の大株は植え替えない、もしくは3年に1回程度の植え替えになる場合もあります。

胴切りから5ヶ月後の短毛丸 左の株は2007年4月に胴切りした株です。
6月中旬に発根し、5号鉢に植えました。この株は4株胴切りした株の中で発根が最も遅く、その分かなり萎んでしまい、14cm以上合った株径が発根時には12cm以下にまでなっていました。ですから内径13cmほどの5号鉢に植え込みました。
左の写真は2007年9月1日です。
なんと5号鉢からはみ出んばかりに生長しましたので植え替えることにしました。

ただしどうも元気がないとか、株元から変色してきたなどの異変があった場合は、季節に関係なく直ぐに抜き上げて根の確認をします。冬だから春まで待とうなんて猶予はありません。待っていれば手遅れになるかもしれません。もし根に問題がなければ、植え込み直し、室内で管理すれば問題ありません。また糊で固められた株を頂いたり、買った場合も季節に関係なく即植え替えします。糊で固められた用土の落とし方は下に書いていますので、ご覧下さい。

植え替えの準備
植え込み予定日の1週間から10日前から水やりを止め、鉢を乾かします。
植え込み日はできれば暖かな晴れた日の午前中が良く、もし雨降りや急に気温が低くなった場合は、晴れるまで延期してもかまいません。ただしあまり延期すると花芽が付いてしまったり、秋の植え替えならば適期を過ぎてしまう様な場合は強行した方が良い場合もあります。

サボテンの持ち方
サボテンの種類にもよりますが、刺が細い物等、素手で持てそうな株は素手で持ちます。
素手が一番作業もし易いですし、丁寧に扱えます。(厚手の手袋などすると扱いが乱暴になりがちです)
ただし月影丸のように刺が鈎状になっている株などは手に刺されば刺を切らない限りなかなか取れませんので、3枚ほど重ねたやや厚めのチラシなどを介して持ちます。
また短毛丸のように大きくて重たい、また刺は短いが大変硬い品種などは素手で持つと、手が血だらけになりますので、親指、人差し指、中指にバンドエイドなどを2枚重ねで貼り持ちます。それでもダメな場合はさらに厚手の革の手袋などをして持ちます。(6cm以下の子株なら私の場合、素手でも平気ですが)
棘が硬く太いもの、長いものはタオルを巻いたり、大株ならバスタオルを巻いて持ったりする方もおられるようです。
タオルやバスタオルは側棘や柔らかな棘が剥がすときに折れやすいのでエアキャップのほうがいいようです。
また鉢から抜いたらなるべく本体を持つのではなく株元(株の根側、土に埋もれていた部分)を持った方が良いかと思います。

土を落とす

まず鉢を斜めにして、表土を落とします。
もし固まってしまっていたら先の丸い竹串などで崩します。そして鉢を軽くたたき、鉢底穴から指で押し上げます。素焼き鉢や駄温鉢では根が周囲に張り付きやすいので抜けにくい場合があります。
プラ鉢の場合は少し力を入れて鉢をゆがめるようにして周辺の土を崩します。どちらの場合も固くなり、抜けそうにない場合は、やはり竹串などで土を崩しながら少しずつ掻き出していきます。サボテンが抜けたら、先の丸い竹串などで根鉢を崩していき、全ての土を落とします。
土中に入っていた胴体部分の刺の間の土などは筆などを用いて刺や刺座を傷つけないよう落とします。
そしてサボテンを置く場合は写真のように新聞紙をくしゃくしゃにしたものを何枚かを重ね、それをベッドにして寝かせておきます。

サボテン専門店以外の花屋さん、ホームセンター、インテリアショップなどで購入したサボテンの多くは表土が糊で固められています。そういった鉢の場合は以下のように土を落とします。

根鉢になった短毛丸 立派な根の短毛丸 鉢から抜くと完全に根鉢になっていました。
上部2cmほどが無肥料の赤玉土、その下5cmほどが培養土で最下部が軽石で完全に層になっているのがわかります。
右の写真は土を落とした状態です。見事に根が育っています。切断面が見えるので胴切りした株だと直ぐに分かります。
土を落とし、からまっていた根をほぐすと、根の長さは20cm以上にもなっていました。
たった2ヶ月半でここまで生長するようです。

糊で固められた化粧砂や培養土の落とし方(一般的に使われている糊は水溶性です)
まず30度ほどのぬるま湯に鉢ごと浸します。(培養土の少し上までつかるように)
1〜2分したら鉢底穴から指で押し上げます。(このとき外れなければもう2〜3分つけておきます。)
外れれば、なるべくサボテン本体は水につからないよう(洗った水には糊が溶け出していますので、それが本体に付くと良くないですから)にしながら、水の中で箸などを使い、培養土を落としていきます。
1粒も残らないよう丁寧に落とします。
新しいぬるま湯に替え、根と本体下部をきれいに洗います。
とにかく糊が残らないよう丁寧に洗います。
洗い終わったら、清潔なタオルなどで水分を取り除きます。そして根だけに太陽光線がしっかり当て、乾かします。(株本体には新聞紙やティッシュで遮光しておきます。)

根を切る
サボテンは鉢内の加湿を避けるため、通気性や排水性が良い培養土を使い、さらに鉢サイズを株径よりわずかに大きい小さめの鉢を用いて栽培します。一般の草花に比べると株の大きさに対し、かなり少ない培養土で栽培することになります。また多くのサボテンは直根性(根が水平方向に張るよりも下へ深く根を伸ばす事)であるため、根を切り縮めないで植え込むと直ぐに根詰まりし、生長が急激に鈍ります。ですから少しでも小さな鉢で、株を大きく生長させるために、根を短く切り詰めた方がいいのです。
まず根を切る前に、根を良く観察しましょう!(サボテンに限らず植え替え時は根を見るチャンスですから、どんな植物もよく観察しましょう!ただし根鉢を崩したりしたら育たないような植物は別ですが、私が育ててきた観葉植物は、サボテンと同じように完全に土を落として植え替えていましたが、育たなかったものはありませんでした。)
虫がいないか、変な臭いがしないか、根にコブのような物ができていないか、等です。
そして根を整理します。
傷んだ根(主に変色して茶色や黒、赤くなっている)を整理したり、長い根を切り縮めます。ただし象牙丸のように太い根茎を持つ場合は根茎は切らないようにします。
一般的には株の高さの半分ぐらいまで切り縮めると言われています。
私は春の植え替え時は株径が8cm以下の物は3cm程度、それ以上の物は5〜7cm程度にまで切り縮めてます。(短い方が植え込みやすいですから)秋の植え替え時は春の時よりやや長めに切っています。
根を切る鋏は切れ味が良く、清潔な物を使います。
ライターなどの火で炙ったりすると、たしかに雑菌は死滅しますが、切れ味が悪くなったりしますので、私は根切り用に専用の鋏を用意しています。
使う前に熱湯で消毒し、無水アルコールスプレーもしくは衛生水で殺菌しています。

根を切り詰めた短毛丸 上記の株とは異なりますが、一般的には根の長さは株の高さの半分ぐらいまで切り縮めます。
短毛丸は刺が短く、硬いのでこのように横に寝かせても問題はありませんが、刺が長く、柔らかい品種などでは十分注意が必要です。

株元まで根を切り戻した花盛丸

最近では、上の写真のように丸坊主にすることもあります。というのも古い根は傷みが出やすいだけではなく、水や栄養の吸収も悪くなるようです。ですから5年以上経った根は株元で切り戻すようにしています。ただし上の写真のように、全て切り戻した場合発根が遅くなるような品種は、毎年1/3ずつ切り戻し、3年間で全て新しい根になるようにしています。
また根と同様で古くなった株元も痛みが出やすくなったり、生長が悪くなりますので、胴切りした方が良い場合もあります。15年以上経った短毛丸を胴切りすると、まるで別物のように生育が良くなることが多いです!

乾かす
根の切り口を乾かします。
根に太陽光を直接あて、半日程度乾かします。その後は通風の良い場所に置き1週間程度乾かします。
短毛丸の場合刺が短く固いので、植え込む鉢に新聞紙を丸めて入れ、根を上にして乗せておきます。
下の写真は1次乾燥中のものです。1時間ほど直射光にあてて乾燥させ完全に土が乾いたら丁寧に土を落とし直してから、再度最適な長さまで切り縮め乾燥させます。

乾燥中の短毛丸

刺が柔らかい、細くて長い品種や鈎状の刺、不規則にでた刺の品種など(つまり短毛丸のような太くて短い刺の品種以外)は下の写真のような乾燥台に乗せ乾かします。

乾燥中の象牙丸

4方向から風が入るように、穴の開いたカゴにダンボールのサボテン受けを付けた物です。株の大きさによりダンボールの穴の違うものに交換して使っています。

下の写真は2010年2月28日に土を落とし乾燥中の様子です。
左からマミラリア属 金洋丸、ギムノカリキウム属 緋花玉、パロディア属 銀小町、エキノプシス属 緋裳丸の4株です!
外気温が低い場合は室内の暖かな場所で乾燥させています。

乾燥中の金洋丸、緋花玉、銀小町、緋裳丸

上の4株ともに 3mm以上の太い根が沢山出ており、それらを短く切り詰めたので、5日間以上乾燥させました。また5〜7日程乾燥させていると、もし根や株本体に異常があったりした場合それらが出てきたりもします、植え込む前の健康チェックも兼ねています。

1週間近くも乾燥させられない場合は、少なくとも最初の太陽光での乾燥を行った後、根だけをダイセン、ダコニール、オーソサイド、ベンレートなどの殺菌剤の水溶液に浸し、風通しの良い場所で数十分乾燥させてから植え込みます。でもなるべく自然乾燥が良いかと思います。(すべての殺菌剤を使うという意味ではありません。また私は球根の消毒などで4種の殺菌剤をたまたま使っていただけです。サボテンの根の消毒にどれが最適かは現段階では分かっていません。使う場合はどれか一種類で十分です。我が家のサボテンは上記4種の殺菌剤をそれぞれ単独で使ってみましたが、今のところ問題はでていません。ベンレートやダイセンが割と使われているみたいです

植え込む

準備
鉢と培養土を準備します。

鉢を選ぶ

大きさ
鉢の大きさは植え込む株の株径(刺も含んだ直径)より15mm〜20mm程度大きい内径(直径)をもつ鉢を選びます。(見た目も良いです)でも5cm以下の子株はなるべく小さな鉢を選んだ方が良いかと思います。鉢の内側と株の間に指1本入るか、入らないか程度の隙間が出来ればいいです。
あまり株径と鉢の内径差が少ない場合は培養土がきわめて入れ難いです。しかし入れやすいからといってあまり大きな鉢を選ぶと見た目も良くないですし、なにより鉢内が加湿になり良くありません。
また鉢の深さ(内寸)は根の長さ(植え替え時切り縮めた後の根の長さです)の2倍と、土中に入る株の長さを足したものよりやや大きめの深さは欲しいです。
鉢の号数の規格は外径ですので、同じ号数でも駄温鉢とプラ鉢では内径がずいぶん差がある場合があります。またプラ鉢は構造や材質でやはり内径が違う物もあります。
鉢の深さは駄温鉢や素焼き鉢では同じ号数であればそれほど差がありませんが、プラ鉢では、標準に加え、浅鉢、深鉢など様々な形状があり、かなり違います。特に鉢底の構造が底上げになっているのと、そうでない物では、外観の高さは同じでも内径の深さで2cm程度変わる場合もあります。

材質
一般的に低価格で入手しやすい事を考えると、素焼き鉢、駄温鉢、プラ鉢(プラスティック鉢)です。
鉢側面の通気性を考えれば、素焼き鉢が最も良く、駄温鉢はやや劣ります。(最近の駄温鉢は通気性はほとんどない物も多いと思います)プラ鉢は全くありません。
ですから昔からサボテン栽培には素焼き鉢や駄温鉢が多く使われてきました。しかし以外と熱伝導が良いため、冬場は鉢内の温度が下がりやすい、さらに通気性が良いために鉢内にコケが生えやすく突然通気性が悪くなる、取り扱いがやや不便(割れやすい、重い)といった欠点もあります。また鉢底穴が中央の1箇所なのでゴロ土などを多めに入れて、周囲の水の流れを中央に持ってくる必要があり、その分培養土が多く入らないといったこともあげられます。
一方プラ鉢は側面からの通気性がないので、培養土の選定が難しくなります。しかし逆に熱伝導が悪いということから冬場は鉢が冷えにくい(ただし厚みが薄いプラ鉢は冷えやすい)、また鉢底穴が底全体にあり、5号鉢以下では底に軽石などを入れる必要がなく培養土が多く入れられるといった利点もあります。また素人でも加工しやすい、キリやドリルで簡単に穴が空けられますので、追加で鉢底穴を空けることも容易です。ただサボテン栽培は常に直射光を浴びている事が多いので、その熱によりプラスティックが変質してしまい、壊れやすくなることもあります。密度が小さいので鉢が軽く移動は楽ですが、背の高い品種では転倒しやすくなるので、鉢底に重めの石を入れる等の工夫が必要です。
以上の長所、短所や栽培方法を考慮しつつ、サイズが合う鉢を選択するのが良いかと思います。


駄温鉢や素焼き鉢では色は選べませんが、塗り鉢やプラ鉢ではかなり種類がありますが、色よりもまずはサイズを重視します。ただし冬場少しでも鉢の温度を上げたいのであるならば黒の塗り鉢やプラ鉢を選びます。また逆に夏場に鉢内の温度を上げたくないのであれば、白の鉢を選びます。この場合はアルミホイルをまくなどして対応できますが。
後は植える品種を引き立てる色の鉢を選ぶのが良いかと思います。
しかし色よりも鉢の大きさを第一に考えましょう!

短毛丸は水が好きな品種なので、水持ちを良くすること、サイズが合うのがプラ鉢に多いことから、プラ鉢で栽培しています。

殺菌
用意した鉢を殺菌します。特に今まで使っていた鉢で植え込む場合はしっかりと汚れを落としてから殺菌します。
駄温鉢、素焼き鉢では熱湯をかけます。しかしプラ鉢では変形する場合がありますので、十分に水洗いし、その後清潔なタオルで拭き取り、太陽光に当て殺菌します。
土を落としてから直ぐに植え込まないのであれば十分な時間があるはずです。新品の鉢でも同様に殺菌します。

培養土
新しい培養土を準備します。

培養土のレシピ
基本的には、レシピは植え替え前のと同じものです。
しかし前年の生育状況などによっては変えることもあります。
例えば乾きにくかった場合は排水性を改善したり、乾きすぎる場合は保水力を上げるようにレシピを変更します。培養土のレシピの適、不適などは品種や株の年齢等によっても大きく変わりますので、
もし参考にされる場合は、株の大きさ、健康状態、ご自身の栽培環境等十分に考慮し自己責任でお願いします。

短毛丸専用培養土はこちら

Cometが現在栽培中のサボテンの培養土のレシピはこちらです。

培養土の作り方
汚れを落とし、微塵を取り除きます。
砂やパミス(軽石)はけっこう汚れが付着しているので水で良く洗い乾燥させます。ただし市販されているパミスは玉石混淆で天然の
多孔質火成岩を粉砕したものから産業廃棄物から人工的に作った物等も出回っているので注意が必要です。以前山野草の栽培に産業廃棄物から人工的に作ったパミスを使うと上手く育たない事があると山野草を専門に扱っている花屋で聞いたことがあります。そこの花屋はパミスは置かず、軽石は日向土オンリーでした。
赤玉土、鹿沼土等も小さな根や枝などが混ざっている場合がありますので取り除きます。またこれらも非常に崩れやすい物などもありますのでいくつかのホームセンター等を回り何種類か購入し、確認すると良いでしょう。
使用する用土は全て1mm以下(できれば0.5mm以下)の微塵を取り除きます。我が家の大型の篩の目は最小でも1.6mm以上あったので、私は100均で探した目の細かな大きなザルを使っています。
市販の腐葉土やピートモスもパミス同様、玉石混淆ですので、何種類か購入し小枝などが混ざっている割合の少ない物を選びます。そして黒のビニール袋に入れて、日の当たるところで2〜3ヶ月は寝かせておいてから使うほうが安全です。また無調整ピートモスは、かなりPh値がバラついているようですので、Ph表示がない物は使わない方が安全です。ですからピートモスでPh値調整をするより、赤玉と鹿沼土でおこなったほうが良いかと思います。(鹿沼土のPh値もバラつきが大きいようですが?)

選別
例えば赤玉小粒といってもおおよそ1mm〜6mmまでの土が混ざっています。ですから使用目的に合わせて必要なサイズに選別します。
私の場合は主に1.6〜3.5mm、3.5〜5mm、5mm以上にの3段階に選別しています。私が購入している赤玉小粒14L入りの1袋を選別すると3:4:3ぐらいの比率になっています。

選別した赤玉土小粒

上の写真は選別した赤玉土の小粒です。
下右は0.5〜1.5mmほどの細粒で(普通は微塵として使われない場合が多い)、主に播種用に使っています。また根が細い品種や子株の場合、使うこともあります。
また大株の場合は鉢底付近は5mm以上、根の周りは3〜4mm、表土近辺は2mm以下を使用するなど、1鉢でも粒の大きさを変えて植え込みますので選別は必要です。このような培養土の使い方はオモトやカンノンチク栽培では一般的に行われており、排水性と保水力をうまくバランス取るのには良い方法かと思います。

選別した赤玉土、鹿沼土、パーライト、ゼオライト

上の写真はおよそ2〜3mmに選別した赤玉土、鹿沼土、パーライト、ゼオライトです。
鹿沼土、桐生砂以外は赤玉土ほど粒度の差があまりありませんので、小粒もしくは細粒を購入すれば、ほとんど選別しなくても使えます。
なるべく粒度を揃えたほうが良いですが、あまり神経質になる必要はありません。

用土の混ぜ方
均一に混ぜる必要があります。
例えば砂8:たい肥2の用土を均一に混ぜていないと、植え込んだ時にほとんど肥料のない鉢と肥料の多すぎる鉢などができてしまい、生育に大きな差が出てしまったりします。ですから均一に混ぜることは大変重要なことなのです。

基本は同量ずつ混ぜることです。

例1
上記レシピを混ぜる場合は以下のようにします。
まず砂2とたい肥2を混ぜます。
そうすると砂とたい肥混合のものが4できます。
そして残りの砂6と先に混合した4とを混ぜます。(砂4と混合4を混ぜる方がいいのですが、砂2が余ってしまうのでここでは砂6と混ぜています。)こうすることで早く、均一な用土ができます。

例2
短毛丸(株径6cm以上)のレシピ
赤玉小粒(3〜4mm)5:腐葉土2:たい肥2:ゼオライト0.5:日向土小粒0.5
サボテン用たい肥の作り方はこちら
まずゼオライト0.5と日向土0.5を混ぜます。
その混合土1とたい肥2を混ぜます。
そしてそれを腐葉土2と混ぜます。
できあがった混合土5と赤玉土5を混ぜて完成です。
赤玉土はあまり長く混ぜ合わしたりしているとせっかく微塵を取り除いたのに、また出来てしまうので最後に混ぜ合わせます。こうすることで均一な用土ができあがります。
ただしこの方法でもうまくいかないこともあります。
それは乾燥した用土を混ぜ合わせているためです。
パーライトと桐生砂のように比重の差が大きいとうまくいきません。そういう場合は、2〜3時間放置すれば乾いてしまう程度に霧吹きで湿らせ、混合します。

肥料の配置
たい肥を使う場合は、使用量も多いですし、用土と均一に混合するので鉢内では全面全層に配置されます。
しかし化成肥料にせよ、有機肥料にせよ、小粒のペレットや粒状のもを使用する場合は、5号鉢では10粒程度しか使用しません。よって均一に全面全層に配置することは不可能です。
ですからこのような肥料を使う場合は2箇所もしくは4箇所にまとめて配置します。
2箇所の場合は根から1cm程度下層で鉢の周辺に180度の位置に配置します。4箇所の場合は2箇所は上記と同じ位置に、残りの2箇所はさらに下層1、2cmのところに先の場所から90度離れた位置に配置します。
肥料を埋め込んだ場所に名札を1枚刺しておけば、忘れることはありません。またアサガオ栽培でやられているように、草花の場合は双葉の向きに合わせて肥料を配置します。
表土上に置き肥をする場合は埋め込んだ元肥の場所と重ならないよう、さらに45度ずらした場所に置きます。
こうすることで根が鉢全体にきれいに拡がります。このことはサボテン栽培に限らず植物の鉢植え栽培全てに言えることで、大変重要です!

植え込み
乾燥した培養土で植え込む方法と湿った培養土で植え込む方法があります。

乾燥した培養土で植え込む方法
根切り後の乾燥時間が短い時や気温が低い時に用います。
乾燥しているので植え込みやすい。

湿った培養土で植え込む方法
用土の均一性を考えるとこちらの方法が良いのですが、根切り後の乾燥をしっかり行わなければならない。また気温が低い時は根が冷えてしまい発根し難くくなる。用土が取り扱いにくい等の欠点があります。

私は春の植え替えは乾燥気味の培養土を用い、初夏から秋は霧吹きで軽く湿らせて混ぜた培養土を使うことが多いです。

素焼き鉢や駄温鉢を使う場合は鉢底にネットを敷き、その上に鉢底石(パミス等の軽石)を敷き培養土を入れます。5号以下のプラ鉢ならそのまま培養土を入れます。肥料を入れる場合は上記のように配置します。
サボテンを置き、根が少し隠れるところまで培養土を入れます。その際先の丸い竹串等を使って根の下にもしっかり入れます。
株に直接触れる部分には無肥料の赤玉土や鹿沼土を使います。化粧砂代わりにもなります。(水やり時飛び散りやすいので表土は5〜8mm程度の化粧砂が一番良いですが)
入れ終わったら軽く鉢をたたいて落ち着かせます。

植え込み終了後の短毛丸

植え込み後の管理
一般的な草花の場合はここで水やりするわけですが、サボテン、アロエ、多肉植物などは水やりし無い場合が多いです。
先にも書きましたが、水やりすると鉢内の温度が上がり難く発根し難くなるからです。ただし昨今のように夜間でも30度をほとんど下回らないような、猛暑の時の植え替えでは、早めに水やりしていることも多くなってきました。

植え込みの終わった鉢ですが、50%〜85%ぐらい遮光して今までの栽培場所で1週間程度は管理し、徐々に元の光量に戻していきます。本当は株に当たる光のみを遮光し、鉢や土にはしっかり光を当てて暖めたいのですが、株にティッシュを被せていても風で直ぐに飛んでいってしまうのでこのようにしています。
私は乾燥の間の1週間は、乾燥場所にて、これと同じようにしていますので、植え込んだ翌日には今までの状態に戻しています。

植え替え後の水やり
水やり時期ですが根切り後の乾燥時間が1週間あれば3〜4日後に水やりしても問題はありません。しかし根切りした当日に植え込んだ鉢などでしたら、やはり1週間後ぐらいでしょうか。
春の植え替えであれば、晴れた日のある程度気温の上がった午前10時頃が良いでしょう。また秋の植え替えであれば、晴れた日の気温が高くなる前の午前8時ぐらいが良いでしょう!

エキノプシス属の特徴のページはちら

短毛丸の胴切りはこちら    短毛丸の株分け、子株の育て方はこちら

Cometの栽培環境
関西中部の高温多湿、冬はけっこう寒い地域で、かなり厳しい環境です。
基本は無加温、防寒、防風処理なしのベランダ栽培ですが、水やり後一週間以内で最低気温がマイナスの予報の時だけ室内に取り込むようにしてます。(短毛丸だけは5cm以下の子株を除き入れたことはありません。)
風の通り道にあるので、日照が無くても表土は割と早く乾きます。
水は基本的には雨水(弱酸性)を使用。貯めた雨水を使う場合と雨の日に外に出す場合とがあります。
水道水はPh5.8以上〜8.6以下に定められていますが、多くはPh7以上、地域によっては8以上のアルカリ性ですので、水道水をそのまま使うことはありません。私の町の浄水場のPhは7.39(2008年3月問い合わせ時)
水道水を使う場合は浄水器を通した水を前日かそれ以上前に充分攪拌し汲み置きして使います。
4月〜11月は基本的には常温の水ですが、12月〜3月の間は状況に応じて、暖め水温30〜35度でやる場合もあります
培養土のレシピや栽培方法等もまだまだ試行錯誤の段階です。
もし参考にされる場合は、ご自身の栽培環境等十分に考慮し自己責任でおこなってください。


最新情報はCometのサボテン栽培日記(エキノプシス属)で確認してください 

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サボテンの花の写真 フォトアルバムはこちら

このページは、Cometのサボテン栽培日記に投稿した内容をまとめたものを、その後の経験等に基づき、随時加筆修正しています。 
ですから日記掲載当時と若干考え方や内容に違いがありますが、ご理解ください。
また植え替えに関してご意見、ご質問等ございましたら、上記のCometのサボテン栽培日記の関連記事からコメントしてくだされば、答えられる範囲でお答えさせていただきます。

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