アロエ不夜城(Aloe nobilis)の特徴、植え替え、育て方

2011年07月05日 更新

アロエ不夜城(Aloe nobilis)の特徴

4分岐の花芽を着けた株径35cm10号鉢で栽培しているアロエ不夜城 地植えのアロエ不夜城

不夜城とは
学名:Aloe nobilis(アロエ・ノビリス)
園芸名:不夜城
海外のサイトで調べてみると原産地は南アフリカですがミトリフォルミス(Aloe. mitriformis 広葉不夜城)ディスタンス(Aloe. distans)
と、アルボレスケンス(Aloe. arborescens キダチアロエ)との種間交雑種といわれています。
ですから不夜城と名札が付いていても、親の違いや交雑の程度により外見上の違い(葉っぱの長さや形、株径や高さなど)がけっこうあるかもしれません。またミトリフォルミスを不夜城と呼んでいる場合もあるようですが、一般的には区別してnobilisを不夜城、mitriformisを広葉不夜城と呼んでいるようです。
花芽は5月中旬から6月中旬にかけて上がって来ます。花茎は1ヶ月で50cmほどになり、開花は6月中旬から始まり7月中旬ごろには全開します。

このページは、Cometのサボテン栽培日記に投稿した内容をまとめ直したもののため、最新の情報では無い場合があります。
最新情報の確認はCometのサボテン栽培日記(カテゴリー不夜城)でご確認してください

形状
茎は割と太く、葉も厚みがありロゼット状に拡がります。ただし子株の時の最初の4〜6枚までは双葉が重なったように生えます。
我が家の不夜城はロゼット径(株径)は25cm以上、高さも40cm以上になります。(我が家の鉢植えでは40cm以上の高さになると下葉が枯れてバランスが悪くなり仕立て直してしまうので、どれぐらいの高さになるかは分かりません。地植え株を堀上げて測定したところ、2011年6月14日現在 株径32cm高さ50cmでした。その株を10号鉢に鉢上げしました。すると上の写真のように株径は35cmを超えました。現在4つに分岐した花芽を着けています!!)
葉はコンパクトに詰まっていて、どちらかというとディスタンスによく似ています。


英名でGold Tooth Aloeと呼ばれているように葉の周辺の棘は明るい黄色で結構痛いです。
アロエ不夜城の棘 アロエ不夜城の棘

また葉の外側にも縁ほど鋭い棘ではありませんが、棘が出ます。
ただし棘の数は結構バラついていて、上の写真の右側のように、ほとんど棘のない葉っぱも出てきます。

子株(子吹き)
鉢植えは大変良く子吹きます。(ミトリフォルミス系がよく子吹くらしいです?)
不夜城に限ったことではありませんが、親株が大きいほど子吹きの数は多く、また生長も早く、大きくなります。
地植え株は鉢植えほど子吹かないみたいです。また我が家では小さな子吹きは虫たちの餌になってしまうことが多く、子株はなかなか大きくなる確率が低いようです。


下の写真ように房に多くの花をつけるのが特徴で、数十以上の花が一つの花軸についています。
アロエ属はユリ科(ツルボラン科)ですので、不夜城もその例に漏れることなく筒状の形をしています。
不夜城は1998年から10年以上育ててきました。
その経験からすると早ければ株分け(葉が8〜10枚程度付いていて発根している株)から3年目(ロゼット径が20cmを越えたぐらい)ぐらいから花芽を着け始めます。この時はまだ花は1房しか着きませんが、5年目ぐらいからは直ぐ下の写真のように花軸が分岐し、2房〜4房と咲かせます。(写真は地植え、鉢植えともに3頭に分岐しています。)
一番右の写真は、3株を8号鉢に植え込んでいるのもので、1つの株に1つずつ、単頭の花芽が出ています。

アロエ不夜城の3つに分岐した花芽 アロエ不夜城の3つに分岐した花芽 アロエ不夜城の3つに分岐した花芽 単頭の花芽、3株にそれぞれ1本ずつでています

花芽の形成時期ですが、おそらく3月までには形成されていると思われますので、冬場の日照時間が短いと花芽が着きにくいように思います。
また一度開花したからといって、以降毎年開花するかというとそうではないようです。割と気まぐれなところがあるようにも思えますし、子株の数などの影響があるのかは分かりませんが、毎年子株をはずし、植え替えていると花芽を着けにくく、群生させ根詰まり気味に管理した方が花付きは良くなるように思います。

下の写真の不夜城は2006年の2月にまだ葉っぱが10枚ほどの子株を株分けして育てた株で、2年半で7号鉢のサイズに生長しました。

アロエ不夜城の花芽 アロエ不夜城の花芽

2008年5月27日頃から花芽が出始めて、上の写真は6月5日の写真です。1週間で10cm以上伸びています。

アロエ不夜城の花 アロエ不夜城の花

上の写真左は開花3日前6月22日のものでかなりオレンジ色になってきました。開花は6月25日から始まりました。花茎の長さは50cmにもなっています。
右の写真は7月3日です。1/3ほど開花しました。
開花は下の方から始まり、開いた花は下に垂れていきます。けっこう甘い蜜が出るようで、メジロがよくやってきては蜜を吸っています。

アロエ不夜城の花とカマキリの子供

蜜には虫もよく集まってくるのでカマキリの子供もやって来ました。
この写真から12日後の7月15日に上まで完全に開ききりました。

花が終わった後の花茎は邪魔ですので、私は花後直ぐに付け根からよく切れる鋏などで切り落としています。

性状
原産地は南アフリカです。
耐寒性も耐暑性も高く、真夏の強光線でも我が家の不夜城は全く平気です。
また地植えもしていますが、雪に埋もれようが、マイナス4度以下からプラス42度にまでなる我が家の庭でも平気です。

雪の中の地植えのアロエ不夜城

ただし我が家のような厳しい環境で栽培する場合は、地植え、鉢植えに限らず、その環境に徐々に(少なくとも1〜2年は必要)慣らしていくことが重要です。
例えば購入直後の不夜城を厳冬期に地植えしたら、ほとんど凍死してしまいます。またホームセンターやインテリアショップの室内に1週間以上置かれていたような株をいきなり真夏の直射光に当てると日焼けして枯れたり、変色したりします。

鉢植えのアロエ不夜城

鉢植えもたくさんありますが、不思議なことに地植えよりは耐寒性が高くはならないようで、葉先が枯れ込んだり、低温障害、風焼けなど起こりやすいです。鉢植えをある程度きれいな姿で保つのであれば、厳冬期はビニールの温室にいれるか、室内に取り込んだ方が良いと思います。ただしビニールの温室の中は、外気温とほとんど変わりませんので、風焼けや葉先の枯れ込みなどはほとんど起こりませんが、低温障害による葉っぱ全体の変色などは起こります。もしほんのわずかでも葉先や葉っぱの変色などが気になるようでしたら、日照が十分確保出来た上で、最低温度を7度以上に保つ事が出来る、加温設備をもった本格的な温室が必要です。
上の写真、左は8号鉢に3株植え込んでいますが、ロゼット径(株径)は18cm前後、右の2鉢は6号鉢でロゼット径は22cm程度です。

地植えのアロエ不夜城

上の写真の地植えの株(ここには5株植えています。)です。猫を刺激する臭いでもあるのか分かりませんが、猫にイタズラされやすく、困っています。周りに対策として猫よけの刺を置いたりしています。この株はロゼット径20cm前後です。

食用と薬効
アロエ不夜城はもともとは形の良さと適当な大きさなどから観葉植物的に育てられていました(私もずっと観葉植物として育てていました)が、最近ではアロエベラやキダチアロエのように食用や薬用に育てている人もおられるようです。私も無農薬有機栽培で子株から育てた不夜城を2度食べたことはありますが、ほとんど癖がないので、それこそヨーグルトに刻んで入れたりしても大変食べやすいと思います。
ですが、不夜城は種間交雑種ですので、食用に適さない場合もありますから、注意が必要です。食べるならば自己責任で食べてください。
またアロエの副作用は「日本薬局方」に大量の服用は腹部の仙痛と骨盤内の臓器の充血を起こすので、妊娠時、月経時、腎炎、痔疾の場合などには注意を要す とあります。
摂取量に関しても、葉の両側の棘を取り除いた状態の生葉(キダチアロエの場合)で、成人男性で1日15g以上食さない方が良いとも言われているようですので、要注意です!!
不夜城は虫さされに効くと書かれたサイトを見たことがありますが、外用に使う場合、アレルギー体質の人はパッチテストなどを行ってから使うようにすることをお勧めします!

不夜城には薬効がものすごくあると書かれたサイトを見たことがありますが、局方アロエに含まれている薬効成分などは不夜城にはほとんど含まれていないようでので、何をもって薬効としているのか真偽は分かりません。

一般的に販売されているアロエ(不夜城に限らず、アロエベラやキダチアロエでも)は無農薬有機栽培と書かれていない限り、農薬などが必ずと言っていいほど使われています。ですのでもし不夜城に限らずアロエを食べるのであれば、購入したアロエを親株として、その子株をなるべく有機栽培で育てましょう。
不夜城をはじめアロエはほとんど病害虫の被害がありませんので、無農薬で育てることは容易です。しかし早く大きくしたいばかりに、硝酸態窒素が多い化学肥料をたくさん使い促成栽培したものには、葉の中に大量の硝酸態窒素が残留し、そういった野菜を大量に摂取すると体内で還元され、酸素欠乏症を引き起こしたり、発ガン性物質を生成する危険性が指摘されていますので、アロエでも同じようなことが起こるかもしれませんので、注意したほうがいいかもしれません!

注記
私は無農薬有機栽培信者(無農薬有機栽培が何が何でも安全でおいしいと信じ込んでいる人)ではありません。無農薬有機栽培で育てた野菜や果物の方が味が深くおいしい場合が多いと思っているだけです。無農薬有機栽培で育てた植物の中には、病害虫に対抗するために、植物自身が体内に自家農薬を作り出し、それが残留農薬以上の発ガン性物質となっている場合もあるからです。

鉢植えのアロエ不夜城の植え替えと株分け

健康な株の植え替え時期は11月〜2月末頃の冬場を除けばいつでもできますが、子株(ロゼット径15cm以下や高さ10cm以下)や初めて不夜城を育てる方、園芸初心者の方は4月中旬〜5月末もしくは8月末頃から9月中頃(残暑が厳しい時はもう少し後の方がいいかも、でも遅くとも10月初めには植え替えた方がいいです。遅いと冬越しが厳しくなりますので)ぐらいが安全です。(最低気温が10度以上、日中25度ぐらいまで上がり、湿度が低く、日照時間が十分確保出来る時期が最適かと思っています。)


2009年4月9日

植え替え前のアロエ不夜城

この鉢を植え替えます。
2007年秋に株分けした鉢で、6号に5株が植えられています。
鉢増し(鉢を大きくする植え替え)であれば、根鉢の底部を少し崩して、一回り大きい7号鉢に植え込むだけでOKですが、子株だけが増えてしまい親はなかなか大きくなりません。

土を落としたアロエ不夜城

土を落としました。
元々の5株と新たに子株が大小合わせて20ヶ以上出来ていました。子株は親から強引に引きちぎります。(葉っぱが4枚以上出ていれば簡単に取れると思いますが)
子株を取ったのは、親株を大きくしたいからです。子株を付けたままだと子株の方が生長が早く、親株の下葉が枯れてきます。群生させるのであれば、1株で6号鉢でバランスがとれぐらいのサイズ(ロゼット径20cm、高さ25cmぐらい)になってからの方が良いと思います。
不夜城はたくさんありすぎるので、子株は処分します。
もし株分けするのであれば、葉が8〜10枚以上で発根している株であれば簡単です。一週間ほど乾かし、培養土に植え込みます。
もちろん上の写真のような小さな子株でもできますが、親株に付けてある程度大きくしてからの方が断然生長が早いので、あまりお奨めできません。

根切り前のアロエ不夜城  根切り後のアロエ不夜城

株の付け根に黄色い新しい根が出かけています。この新しい根を残してあとは切り落とします。何本も新しい根が出ていても、なるべく上部のものを2本ぐらいを残し切ります。根を全て切ってしまってもかまいませんが発根までの時間がかかるので、勢いのある新しい根だけを残しています。

根切り後のアロエ不夜城

残りもこんな感じで切りました。
ついでに小さな下葉を3〜4枚はぎ取っています。
(この下葉を取るのも重要です!)
後は風通しの良い半日陰で乾かして培養土に植え込むだけです。
今回の株の大きさなら一ヶ月ほど乾燥させて植え込みです。あまり小さいサイズを長期間乾燥させると枯れてしまう場合がありますので注意が必要です。大きければ三ヶ月ぐらいでもへっちゃらですが。

大株の仕立て直し
下葉が枯れてバランスが悪くなった大株の仕立て直しの場合は、きれいな葉が残っているところより3〜5cm下の当たりでばっさりと茎を切り落とし乾燥させます。下の写真では表土ぎりぎりぐらいのところでカットします。

仕立て直し前のアロエ不夜城  切断面にカルスメイトを塗布したアロエ不夜城

大株の仕立て直し時に茎を切るとかなり水分が出ますので、乾燥にはより時間がかかります。私の場合は発根するまで1〜2ヶ月程度乾燥させていますが、季節や株の大きさ、健康状態で発根開始までの時間はかなり変わります。また上右の写真(写真の株は左の株とは異なっています)のように1週間ほど乾燥させ、切断面にカルスメイトを塗布すれば植え込み時に雑菌が入りにくくなるので有効です。(ただし食用にする場合はお勧めしません)
また土中に入る部分が少ないので、植え込み時には支柱で補助した方が良いと思います。

植え込み後も直ぐには水やりはしません。
私は二週間ぐらいたってから天気の良い日を選んで水やりしています。

2010年のアロエ不夜城の仕立て直しはこちらです!

我が家のアロエ不夜城の培養土は以下の通りです。
レシピ
上記株であれば鉢はプラ鉢もしくは駄温鉢の5号もしくは6号を使います。大きい鉢の方が早く大きく育ちますが、子株ばかり出てくることも多いので、このぐらいの株の植え替えでは5号深鉢ぐらいが良いかと思います。

赤玉小粒(2〜4mm)6:たい肥2:腐葉土1:パーライト1:イズカライト0.5(天然のゼオライト)合計で10になりません。
鉢底にはパミス(天然の多孔質火成岩を選別6mm程度のものを使用)1〜2cm程度敷きます。駄温鉢を使う場合は鉢底石はやや多めに入れます。
我が家の不夜城はキダチアロエやチネンシスよりかは、水を欲しがるのでこのようなレシピにしています。
といっても生育期(4〜6月、9〜11月)で平均5〜7日に一回程度の水やりですが!
また我が家の栽培環境では、砂ベースの培養土では冬越しし難いので赤玉ベースで作っています。サボテンもそうですが、どうも川砂ベースより赤玉ベースの方が生長も良いように思えます。

アロエ不夜城の肥料
肥料は元肥のたい肥が中心で、追肥として4月と9月に少しだけ有機肥料の置き肥をしています。
有機肥料の置き肥は米ぬか、油かす、魚粉、草木灰を水で練ってダンゴにして発酵させた自家製です。たい肥を作る時に一緒に作っています。
自家製たい肥の作り方はこちら

置き肥ではなく水肥(液肥)で追肥する場合は以下のようにしています。
有機肥料の水肥(液肥)の作り方
油かす 500g
米のとぎ汁 5L

夏場なら2週間、秋から〜春で3〜4週間発酵させます。
上澄みを20倍に薄めて与えます。
水でも構いませんが米のとぎ汁の方が発酵しやすいので使っています。
この水肥(液肥)は窒素分が多めの葉肥です。
4月〜6月、9〜10月、月に一回程度与えます。

たい肥が使えない方は
赤玉小粒(2〜4mm)6:腐葉土2:日向土1:イズカライト1(天然のゼオライト)
肥料として野菜用の有機肥料小粒(N:P:K=4:6:4)を適量
のようなレシピでも良いかと思います。

有機肥料が使えない方は
不夜城は化学肥料にも割と強いので食べたりしないのであれば、生育期のみ月に一回観葉植物用を2000倍以上に薄めて与えても構いませんが、日当たりの悪い場所では徒長して頭でっかちになってしまいますので、4000倍以上に薄めた方が良いと思います。

培養土の作り方はこちらを参考にしてください。
サボテン短毛丸の植え替え方のページですが、基本を詳しく書いていますので、よろしかったらご覧ください。

アロエ不夜城で植え替え方を説明しましたが、キダチアロエ、アロエチネンシスでも同じように植え替えています。
また培養土もこの不夜城の培養土をベースに日向土やパーライトを少し加える程度で使っています。

2009年5月19日
4月9日に土を落とし、約1ヶ月間乾燥させた後、5月6日に植え込んだアロエ不夜城ですが、植え込み後最初の水やりをしました。
7株を5号単独で植え込みたかったのですが、鉢をこれ以上増やさないでくれと言うことだったので、4号に植えていた2株と合わせて7株のうち大きめの4株を7号に、残り3株を6号に植え込んでいます。

植え込み後のアロエ不夜城

まだ根はそれほど張ってきてはいないと思うので、培養土の乾き具合を見て慎重に水やりしていきます。おそらく梅雨明け頃までは10〜15日おきぐらいの水やりペースになるかと思います。
まだ根がほとんどない状態(人間でいう手術直後の状態ですので)で、直射光が長時間当たり続ける場所では葉先が枯れ込んだり、変色する場合がありますので、できれば30%程度遮光し、柔らかな光がなるべく長く当たるようにして育てた方がいいと思います。我が家では風通しが良く午前中直射光が当たり、午後からは明るい日陰になるような場所に置いています。ただし時々は終日直射光が当たる場所に置いたりしています。

2009年7月27日
植え込みから2ヶ月半少し経ったアロエ不夜城です!
上の写真と見比べるとだいぶ大きくなったのが分かると思います。どの株にも新たに葉っぱが3枚ほど出ています。

アロエ不夜城

植え込み(5/6)から今日(7/27)までの82日間での水やり実績は5/19をいれて6回です。ただし猛烈な雨が降り軒下のこの鉢もかなり濡れた時が2回ありました。それを入れても8回で、平均10日に1回程度の水やり実績となっています。
新葉も出てまた葉の厚みやボリュームもついてきたので根はもうしっかり張っていると思いますので、以降の水やりは培養土の乾き具合を見ることはもちろんですが、たぶん5〜7日に1回程度になっていくと思います。
我が家では7月の上旬頃からは終日直射光が当たる場所で育て始めていますが、色が少し薄くなったりするのが気になるようでしたら、午後2以降の強い西日だけを遮光するようにします。
注意:いきなり遮光をはずし、長時間直射光に当てると必ず日焼けしますので、少なくとも遮光を完全に止める2週間前ぐらいから徐々に慣らす必要があります。

2009年10月23日
植え込みから5ヶ月半ほど経ったアロエ不夜城です
真夏の間は休眠していましたが、9月中頃から涼しくなり始めましたのでまた生長し始めました。

アロエ不夜城

7月の頃に比べさらに新芽が2枚ほど出てきています。後ろのギボウシの葉っぱもかなり虫に食われたり、黄変し始めているので、季節が分かると思います。
このぐらいのサイズになりますと、不夜城らしい雰囲気が出てきます。左の6号鉢の3株でロゼット径13cm、高さ20cm、右の7号鉢の4株でロゼット径16cm高さ25cmほどです。7号鉢の株は十分単独で植え込んでも良い感じです!
現在の管理ですが、11月中旬ぐらいまでは生長期ですので、水やりは表土が乾いたらたっぷり与えます。我が家の環境では5〜7日に1回ぐらいの水やりです。
しかし最低気温が10度を下回る日が多くなってきますと、急激に土の乾きが悪くなりますので、水やりを控えます。我が家では12月に入りますと春までの間多くても月に1回程度しか水やりしません。
アロエは葉にたっぷりと水を蓄えていますので、冬場はこの程度で十分です。

2009年11月27日
地植えと鉢植えのアロエ不夜城

地植えのところに鉢植えを持ってきて、たぶん年内最後?の水やりをして記念撮影です!地植え株はまだ他に2ヶ所、5株ほどあります。
手前の鉢植えは左から6号深鉢、7号群生株、7号に4株植え付けです。その後ろは地植え株、6号3株植え付け、地植え株、8号深鉢3株植え付け、奥が地植え株、6号深鉢です。地植え株は元々は5株だったのですが、子株1株がかなり生長し6株になっています。
群生株や8号に3株植え付けは完全に根詰まりして、葉先がかなり痛んでいるのが分かります。来年春には植え替えと仕立て直しが必要です。
他の鉢植えも来年秋に植え替えた方がいいかもしれません。
地植え株は今の時期何日も続けて雨が降ろうが、最低気温が3度になろうが、まったく平気です。鉢植えでも地植え株のように育てられれば理想的な育て方と言えるのでしょうが、まだまだ私の栽培技術じゃ無理なようです!
でも地植え株は子吹きがたいへん少ないのです。3年間で大きく育ったのはたった1株だけですからね。その分親はどんどん大きくなってはいますが。現在最も大きいのはロゼット径が30cm近くになっています。
12月に入れば地植え株の回りにたっぷり腐葉土を被せて、冬越し準備完了です!

ここまで読んでいただければ、管理の仕方等分かると思いますが、簡単にまとめておきます。

アロエ不夜城(Aloe nobilis)の育て方

栽培環境や培養土、株の大きさ、健康状態などによっても大きく変わりますので、ご注意ください。
関西中部での鉢植え(プラ鉢)、屋外栽培(軒下など)の場合

生長時期
4月〜11月末頃
休眠期
12月〜3月末頃

置き場所
軒下などでかつ1年を通して日の出から朝日があたり、冬場でも5時間以上の日照が確保出来れば理想的。(つまり栽培場所が南東に面していて、栽培場所から見て北東から南が大きく開けている場所など、冬場の日照が不足すると不夜城の場合花芽を着けにくいので)
逆に冬場昼過ぎからしか日が当たらないような場所で栽培する場合は、栽培場所の温度管理に注意が必要です。
水やりをコントロールしたいので、できれば雨の入らない場所のほうがいいですが、それよりも日照を優先したほうがいいかと思います。
冬場雨や雪が降りそうなときは軒下などに移動するなどして対応した方がいいと思います。
軒下で長期間栽培する場合、光が後ろ(家側)からは当たりませんから、1週間ごとに鉢を120度ずつ回して、株にまんべんなく光が当たるようにします。180度ずつだとけっこうくの字の連続みたいになったりするので、120度ずつがいいかと思います。
鉢植えをある程度きれいな姿で保つのであれば、厳冬期はビニールの温室にいれるか、室内に取り込んだ方が良いと思います。ただしビニールの温室の中は、外気温とほとんど変わりませんので、風焼けや葉先の枯れ込みなどはほとんど起こりませんが、低温障害による葉っぱ全体の変色などは起こります。また室内では日照が不足したり、逆に夜間室内に照明が点灯していたりすると、その影響で徒長したりしますし、色も薄くなったりします。もしほんのわずかでも葉先や葉っぱの変色などが気になるようでしたら、日照が十分確保出来た上で、最低温度を7度以上に保つ事が出来る、加温設備をもった本格的な温室が必要です。

真夏の直射光でも平気ですが以下の点に注意してください。
注意
購入直後の株は最低でも2ヶ月はかけて明るい日陰から半日陰そして日向へ徐々にならすこと。(アロエにかかわらずどんな植物でも栽培農家の理想的な環境から全く異なる一般家庭の環境に慣れるまでには2ヶ月は必要です。)また日向に出しても最初は2〜3時間で様子見したりしながら、徐々に徐々に直射光を充てる時間を長くしていきます。ただしロゼット径(株径)12cm以下高さ20cm未満の子株はさらに注意する必要があります。また我が家のようなたいへんきびしい環境で育て、慣らすには2回の冬越しは必要です!!

鉢受け皿は使用しないこと。よく鉢受け皿には水を貯めないようにとかありますが、それ以前に鉢受け皿を使うと、鉢底に風が当たりませんので、土の乾きが悪くなります。また板やコンクリートなどに直接置くのもよくありません。必ずかまぼこ板1枚程度は浮くようにして設置します。できればコンクリートブロック2ヶと金網やスノコで置き台を作って置くといいと思います。

水やり
生長期は表面から50%程度土が乾いたら(鉢に細い竹串など差し込み、その乾き具合で判断します)、夕方に鉢底からたっぷり流れ出るくらいの量を水さしを使って
培養土のみに与える。ただし4月や11月はなるべく気温が高い日を選んで水やりします。(植え込み後一ヶ月を除き、実績で3〜10日に一回ぐらい。梅雨時では2週間に一回ぐらいになるときもあります)
休眠期は30〜50日に一回、その時期としては、なるべく暖かで晴れた日の昼間に少量与える。
上の植え替え時のように1ヶ月間乾燥させたままでも、アロエは水不足で枯れることは滅多にありませんので、水のやり過ぎには注意しましょう!

肥料
基本は元肥のみで、年に一回植え替え時に与える。生育期のみ置き肥もしくは有機水肥を少量与える。
植え替えない場合は、有機水肥を生長期にのみ月に1〜2回程度水やりを兼ねて与える。
有機肥料が使えない場合はN-P-K=6-6-6ぐらいの液肥を2000〜4000倍を生長期のみ月に1〜2回程度水やりを兼ねて与える。水やりの回数が少ないと置き肥はあまり効果がないので、水肥のほうが良いと思います。

植え替え
上記植え替えを参照してください
6号鉢に単独で見栄えがするくらいまで(ロゼット径(株径)20cm前後まで)は毎年植え替える。
以降は一年おきぐらいに植え替える。鉢は8号ぐらいまでが扱いやすいのでそれ以上大きくしたいならば地植えの方が良いと思います。
6号鉢ぐらいまでは素焼きや駄温鉢よりはプラ鉢のほうが、水やりが楽になるのでいいかなと思っていますが、7号以上になると株の高さもかなりあると思いますので、軽い鉢は倒れやすくなりますので、注意が必要です!(私は駄温鉢でも育てたこともありますが、初夏や初秋鉢が乾きすぎた経験があって、それ以降はずっとプラ鉢です)
アロエ不夜城 アロエ不夜城 アロエ不夜城
2008年9月
2009年10月
2009年10月

上の写真は7号鉢の群生株です。
子株を群生させるには、これぐらいのサイズが一番かっこ良いと思います。この株はロゼット径24cm高さ40cmほどあります。
ただしこれ以上群生させると右の2枚の写真のように親株の下葉がほとんど枯れて無くなってしまいますし、全体の葉先が枯れ込んだり、また大きくなった子株の葉先も枯れ込んだりします

ただ下葉が枯れていくことは生長する上で当たり前のことですから、生長点から新しく新芽がどんどん出て来ていれば、健康な株と言えます。
見た目もありますので、春になったら子株を間引いて植え直すか、完全に子株を取り除き、親株も下葉が無くなった部分から下を切り落とし、仕立て直しをしたほうがいいと思います。

病害虫と生理障害等

・1998年から100株以上育ててきましたが、病気は今までかかったことがないので分かりません。

・害虫は子株の新芽などが、ダンゴムシ、ナメクジ、バッタに食われることがありますので、見つけたら捕獲し駆除します。

葉の付け根にホコリがたまったりして、ダニやカイガラムシが発生する場合がありますので、水で飛ばしたりして清潔にしておきます。
ただし真夏の日中に洗った水が天頂部や付け根に溜まっていたりすると、煮えてしまい生長点や葉が死んでしまいますので、夕方などにおこなうか、ティッシュや綿棒などで丁寧に水を拭き取ります。

蜘蛛の巣を張られやすいので、こまめに取り除きます。

アリが花芽にアブラムシを寄生させる場合がありますので、見つけたら駆除します。
また花芽は雨に当たると腐りやすいので、花芽が少し色づき展開し始めたら陽当たりの良い軒下などに移動させます。

・低温障害
冬場は水やりを控えますので、そのため体液の濃度が上がり、葉先が変色したり、葉全体が赤くなったりします。
大抵は暖かくなればほとんど元に戻ります。
変色させたくなければ、穴の空いたビニール(穴が空いていないと蒸れて逆に痛んでしまう)や不織布を被せればかなり改善されます。少しでも変色させたくなければ夜間だけ室内に取り込む、もしくは加温設備のある温室に入れ、最低温度を7度以上に保ちます。例え陽当たりの良い室内でも、冬の間ずっと室内に取り込んでいると光量不足で不夜城の場合は花芽を着けにくくなり場合があります。(透明なガラスでもかなり光は吸収されていますし、紫外線などは50%以上は遮断されていますので)

・風焼け
3月下旬から4月上旬頃や9月下旬頃の急激な気温の上昇や変化、低湿度、強い風などにより、急激に株全体が赤茶色くなる場合がありますが、風焼けと言われている症状です。これも5月中頃には元に戻りますが、風焼け時根詰まりしていたりすると、葉先の枯れ込み(変色ではなく枯れ込みです)、子株の枯れ込み(変色ではなく枯れ込みです)などが出る場合がありますので、注意が必要です。この時の枯れ込みは元には戻りません。

生理障害
土を落とした後の乾燥中や植え込み直後に葉が赤くなる場合がありますが、発根しようとする場合に体液濃度が上がり、発生する変色ですので、植え込み後1ヶ月ほどすればたいていは元に戻ります。私は発根のサインとして水やりすることにしています。



アロエ不夜城の仕立て直しはこちら

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Cometの栽培環境
関西中部の高温多湿、冬はけっこう寒い地域で、かなり厳しい環境です。
基本は無加温、防寒、防風処理なしのベランダや軒下、庭に出しっぱなし栽培です。
風の通り道にあるので、日照が無くても表土は割と早く乾きます。
鉢植えの水やりは基本的には雨水(弱酸性)を使用。貯めた雨水を使う場合と雨の日に外に出す場合とがあります。
水道水はPh5.8以上〜8.6以下に定められていますが、多くはPh7以上、地域によっては8以上のアルカリ性ですので、水道水をそのまま使うことはありません。私の町の浄水場のPhは7.39(2008年3月問い合わせ時)
水道水を使う場合は浄水器(100均で購入)を通した水を前日かそれ以上前に充分攪拌し汲み置きして使います。
4月〜11月は基本的には常温の水ですが、12月〜3月の間は状況に応じて、暖め水温30〜35度でやる場合もあります
地植えの水やりは自然任せです。(夏場乾きすぎたときは水やりする場合もあります)
培養土のレシピ等もまだまだ試行錯誤の段階です。
もし参考にされる場合は、株の健康状態、ご自身の栽培環境等十分に考慮し自己責任でお願いします。
私が育てている不夜城の特徴ですので、交雑の程度で性状等かなり異なっている場合もあります。

このページは、Cometのサボテン栽培日記で投稿した内容をまとめたものを、その後の経験等に基づき、随時加筆修正しています。
ですから日記掲載当時と若干考え方や内容に違いがありますが、ご理解ください。
またアロエ不夜城に関してご意見、ご質問等ございましたら、上記のCometのサボテン栽培日記の関連記事からコメントしてくだされば、答えられる範囲でお答えさせていただきます。

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